2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模確率場により高度化された確率推論システムの設計
Project/Area Number |
18079002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 和之 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (80217017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 陽一 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン研究センター, 主任研究員 (30358171)
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Keywords | アルゴリズム / 情報統計力学 / モデル化 / 確率的情報処理 / 統計科学 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,高次元の画像データから目的に応じた情報を抽出し,高度の推論を行う確率推論システムをベイジアンネットワークとして構築する理論体系を情報統計力学的知見にもとづいて確立することにある.具体的には 1.大規模確率場による高次元データ解析システム設計と近似アルゴリズムの構成と性能評価. 2.確率推論モデルの混合による高度化された推論システムの設計理論の構築とその実現. 3.情報通信方式と大規模確率場の構造的類似性にもとづく次世代通信システムへの実装. の3点を段階的に推進してゆく.平成18年度は特に大規模確率場モデルに対する一般化された確率伝搬法とEMアルゴリズムによる「データからのハイパパラメータ推定システム」の推定プロセスの典型性能評価法の提案と確立を中心に研究を実施した.その成果の一部は2006年6月に京都大学数理解析研究所で開催された研究会「情報物理学の数学的構造」における依頼講演「画像処理における確率伝搬法とEMアルゴリズムの統計的性能評価」として公開した.これにより上記1における理論的基盤が整備された.同時に,大規模確率場が時間とともに変化する確率過程,従来の大規模確率場を量子力学的に拡張した量子確率場などの形での確率推論モデルの混合の提案とそこでの確率伝搬法の定式化についての研究も平行して行い,上記2についても着実に成果が得られつつある.特に「従来の大規模確率場の量子力学的拡張とそれに対する確率伝搬法の定式化」については日本物理学会2007年春季大会(鹿児島大学)の領域11シンポジウム「量子系のコトの物理学」における依頼講演「量子系における確率推論の平均場理論」として公開し,本特定領域研究における量子情報班と連携して研究を進めつつある.研究分担者の本村陽一氏とは実データを用いた上記2の更なる展開の可能性についての研究打合せを重ねている.
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