Research Abstract |
これまでに提案した次元圧縮とクラスタリングを同時最適化する枠組みに関して,新しい手法を提案した.これまでの手法で混合ガウス分布モデルを用いたモデルでは,二段階の次元圧縮を行っていた.最初の段階では,主成分分析(PCA)を行い,寄与の大きな空間成分のみを残して,残りの補空間を無視した.次の段階で,白色化という操作で,残した空間の寄与を同じにした後に,クラスタリングが最もよく実現される低次元空間を求めた. 今回は,これら二つの手続きを統一的にとり取り扱う手法を提案した.この手法では,ARD(Automatic Relevance Detemination)と呼ばれる次元選択の方法と,クラスタリングに基づく次元圧縮を組み合わせた.従来ARDとPCAを組み合わせた手法は提案されてきたが,PCAでは,多電極測定により生じるノイズに弱いと考えられていた.我々のARDとクラスタリングによる次元圧縮を組み合わせた手法は,この弱点を克服すると予想し,この手法を,これまで我々の従来手法で解析した側頭葉のデータとジュウシマツの歌に適用し,得られた結果から提案手法の特性を評価した.このようにして得られた提案手法の知見をもとに,この手法を脳神経系のデータだけでなく生命系全般に応用した.このプロジェクトのために研究支援者一人を雇用した. これまで本研究で取り扱ってきたベイズ推定では局所解の問題があった.近年ベイズ推定で用いられている事後確率を近似することにより,局所解のない問題に変換する事が提案されつつある.この枠組みを,これまで本研究で取り扱ってきた問題に適用することより,より高速に解を求めることができる手法を提案した.このプロジェクトのために研究支援者一人を雇用した. 本年度は最終年度であるので,これまでの成果をまとめると共に,得られた成果の今後の発展につながるプロジェクトを適宜提案して遂行した.
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