2008 Fiscal Year Annual Research Report
近似的確率計算アルゴリズムのレプリカ拡張に関する研究
Project/Area Number |
18079006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
樺島 祥介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80260652)
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Keywords | レプリカ拡張 / レプリカ対称性 / 平均場近似 / 解析接続 / 複素零点評価 / レプリカ数 |
Research Abstract |
以下の研究を実施した. (1)アルゴリズムの吟味 : 相互作用行列を表す行列が固有値分布によって特徴付ける系について効率的に平均場近似解を探索するアルゴリズムを逐次最小化, メッセージ交換型の両観点から吟味した. 逐次最小化法を無線通信におけるrandom precoding問題に適用した際の結果の一部は国際会議 UCGP2008にて発表した. メッセージ交換型のアルゴリズムをパーセプトロンの学習問題に適用した結果はJ. Phys. A : Math. Theor. 41 324013(18pp)(2008), J. Phys. A : Math. Theor. 42 015005(12pp)(2009)で発表した. (2)レプリカ数に関する複素零点解析 : レプリカ拡張のアイデアをCayley Tree上で定義されるスピングラス模型のレプリカ数に関する複素零点評価に応用し, レプリカ対称性の破れの起源との関係について吟味した. その結果, Cayley Treeのモデルで得られる複素零点はいわゆるレプリカ対称性の破れとは無関係であるという結論を得た. この成果はJ. Phys. A : Math. Theor. 42075004(27pp)(2009)に発表され, 注目すべき論文としてIOP Selectに選出された. また, 同様の解析をランダムエネルギー模型に適用する方法を開発し(J. Stat. Mech. (2009)P03010), ランダムエネルギー模型についてはレプリカ数に関する複素零点の実軸への漸近がレプリカ対称性の破れの起源であることを示した. この結果は現在査読つき学術誌に投稿中である.
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Research Products
(9 results)