2008 Fiscal Year Annual Research Report
個別化医療の実現に向けた情報統計力学的理論構築及び手法開発
Project/Area Number |
18079012
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 真郷 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (70376953)
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Keywords | ゲノム多様性 / ゲノム情報処理 / バイオインフォマティクス / 確率的情報処理 / 統計的推測 / ゲノムデータベース / 遺伝診断学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き, haplotypeを推定する問題を扱った.本年度は一塩基多型(S閥P)データに基づく推定手法について英文論文が掲載された.また, 近年注目されつつあるコピー数多型(CNV)データについても同様のhaplotype推定が行える手法を開発し, 英文論文を執筆中である.また, 近似を用いると, この推定問題は統計力学的な二体相互作用モデルの基底状態を求める問題に置き換え可能であることを発見し, これを学会報告した.推定精度は既に開発した手法に比べて劣るものの, 高速計算が可能な点は有用である.今後, K体相互作用モデルに一般化することで近似精度を任意に設定できるよう拡張を行う予定である. 連鎖不平衡(LD)指標に関する研究は, 元になるSNPデータに対して隠れMarkovモデルを構築し, EMアルゴリズムでの解法を考案した.しかしながら, この手法では最適解がなかなか求まらず, モデルの評価まで至らなかった(12月の成果発表会にて報告).このため, より強力な探索手法である遺伝的アルゴリズム等の適用を模索している. 遺伝子と疾患との関連を見出す研究については, 多重検定とFisherの正確確率検定を組み合わせることで, 従来用いられている近似手法に比して, 検定の有意度を表すp値の正確な上界評価が可能であるというアイデアを考案した.現在, これを実装中である. これら以外に情報統計力学的な課題について, Bayes推定を用いた画像修復課題について, 岡田真人教授との共同研究により英文論文掲載に至った.また, 適応的自然勾配法を特異モデルにおいても使えるようにする手法の開発については学会発表を行い, 現在英文論文を執筆中である.低密度パリティ検査符号(LDPC)についての新しい解法についても樺島祥介教授との共同研究により学会発表を行い, 英文論文を投稿中である.
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Research Products
(8 results)