2007 Fiscal Year Annual Research Report
確率推論における近似解法の理論的解析および情報工学への応用
Project/Area Number |
18079013
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
池田 思朗 The Institute of Statistical Mathematics, 数理・推論研究系, 准教授 (30336101)
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Keywords | 確率伝搬法 / 情報幾何学 / 統計物理学 |
Research Abstract |
平成19年度は,これまでの申請者の研究で得られた確率推論に封する結果を,工学的問題に応用する研究を中心に行った.工学的な応用として,デジタル衛星放送の移動体における受信の向上のための研究に関して実験を中止に行った.実験については,19年度まで総研大に大学院生として在籍した社会人大学院生の浜田正稔氏と協力して行った.浜田氏の所属するNHKが中心となり,NHKデジタル衛星放送の信号を移動している自動車において実測し,そのデータを基に実験を行った.その結果簡便な計算手法によって受信動画が大きく改善できることがわかった.提案する手法は実用も可能な程度の複雑度であり,今後の応用が期待できる.この結果については2007年9月に国際会議PIMRC'07において発表を行い,関連する論文を複数の論文誌に投稿中である.2008年5月現在,採録が決定されたものが一本,条件付き採録となったものが一本である.また,本研究と関連して「通信路推定と誤り訂正に関するワークショップ」を本特定領域の主催で2007年8月に東京の統計数理研究所において行った. 一方で,昨年度から続けて脳における運動計画に対する数理的アプローチについても研究を行った.この結果については統計数理研究所の技術報告(Research Memorandom)において発表をおこなった.また,多クラス判別法についても大学院に所属していた白石氏と共同で研究をおこなった.これは多数判別機を組み合わせる手法に関してゲーム理論の立場から考察したものである.
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