2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18079014
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
松本 啓史 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (60272390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正人 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (40342836)
根本 香絵 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (80370104)
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Keywords | 統計的推測 / 漸近理論 / フーリエ解析 / ノイズ / 数学的厳密性 / 量子中心極限定理 / ユニバーサル符号化 / 群論 |
Research Abstract |
1. ユニタリ変換の推定の漸近理論を深めた。従来の研究は、推定値と真の状態の間のフイテリティ(重なり具合)のみを評価していたが、われわれの研究は、平均二乗誤差、誤り確率、さらに検定までふくめて扱った。しかも、それらの結果は、フーリエ解析の手法を用いて系統的に導出されている。 2. ユニタリ通信路においては、平均二乗誤差がサンプル数の2乗に反比例する(ハイゼンベルグ限界)が指摘されており、高精度測定への応用が議論されたこともあった。しかし、ノイズをふくむ通信路では、このような特異な精度の向上は起こらないことが個別例で指摘されていた。われわれは、一般に通信路の族が通信路空間の内点である限り、平均二条誤差がサンプル数に比例することを示した。つまり、わずかでも誤差がのれば、ハイゼンベルグ限界は達成しないのでる。 3. 量子のユニバーサルな通信路符号の構成に成功した。量子論においては、観測の破壊的効果のため、ユニバーサル符号化の理論は古典の延長では成功しないので、群論的な対称性を利用した斬新な手法を用いた。 4. 量子鍵配布において、基底の比率を変えてビットレートを上昇させた。 5. 量子状態推定の数学的基礎を充実させた。まず、一般的に漸近量子クラメールラオ下限は局所普遍推定量の最適化で表現されることは以前から指摘されおり、部分的な証明もあったが、無限次元の場合や適応的設定もめて理論を岩成させた。また、2次元量子状態の漸近理論を完成させた。その際、スピンの足し算の極限が漸近的にボゾンの生成消滅演算子のようにふるまうことを示し(量子中心極限定理)、それによって問題をガウス状態の推定問題に帰着させた。
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Research Products
(24 results)