2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18080002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
明連 広昭 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (20219827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田井野 徹 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40359592)
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Keywords | 単一磁束量子論理回路 / マイクロストリップ線路 / ストリップ線路 / 磁気シールド構造 / 電子ビーム描画 |
Research Abstract |
単一磁束量子論理回路において、将来、現在用いられている臨界電流密度が2.5kA/cm^2のNb標準プロセスから、100kA/cm^2以上のプロセスに移行するとセル寸法は現在の10分の1となり、集積度は100倍になると考えられる。このようなセルの中で高密度な受動配線を実現するためにはサブミクロン幅のマイクロストリップ線路やストリップ線路を作製し、実際のSFQパルスの高スループット伝送時における問題点を解決しておく必要がある。 我々は、サブミクロン幅のマイクロストリップ線路を実現するために比較的高い誘電率を持つAl_2O_3やMgOを層間絶縁薄膜として利用することを検討した。さらに平成20年度よりSFQLSIチップの3次元実装を目指して、基板貫通ビア内へのめっき法によるNb超伝導配線形成技術に関する研究に着手した。 様々な線幅のマイクロストリップ線路共振器構造を用いた共振ピークの観測を行った。これまでの所、マイクロストリップの細線化による顕著な特性劣化は観測されていないが、線幅の減少とともに負荷Qの値は減少することがわかった。実際のSFQパルスの伝送の際の損失については未知であり、今後SFQ伝送実験が必要である。また、SFQLSIチップの3次元集積化を目指して、有機溶剤を用いた非水めっきによるNb薄膜の形成に関する実験を行った。めっき浴の組成をNbcl_5+LiCl+有機溶媒とした場合、不連続な薄膜とLiClによると考えられるX線回折ピークが観測された。連続でLiClを含まないNb薄膜を得るために、LiClに変えてテトラメチルアンモニウムクロリド(TMACl)を用いたところ、連続な金属光沢の薄膜が得られ、X線回折パターンではNb(110)に対応するピークが観察された。液体ヘリウム温度以上での超伝導転移は観測できなかったが、有機溶媒を用いた非水めっきが有用な方法であることを示唆する結果であると考えられる。
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Research Products
(5 results)