2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18080003
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
内藤 方夫 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40155643)
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Keywords | MgB_2 / ジョセブソン接合 / ホットエレクトロンボロメータ / 電波天文学 / エピタキシャル薄膜 / 超伝導単-光子出器 |
Research Abstract |
本研究課題は、2001年に発見されたMgB_2 (T_0〜40K)を用いたと超伝導接合の作製技術を確立し、「ポストニオプ」超伝導エレクトロニクスの基盤を築くことを目的とする。MgB_2は、T _こそ銅酸化物に比べて低いが、二元化合物、シンプルな結晶構造、通常金属、弱異方性、長コヒーレンス長といった利点を有するために、超伝導応用に有望な材料として期待されている。実用に十分な臨界電流、特に薄膜ではJ_0〜100A/cm^2に迫る値が報告されており、かつ、微細加工が容易なことから、線材応用と並んで、超伝導エレクトニクス応用に向けた研究開発が始まりつつある。超伝導デバイス作製に向けては、高品質な薄膜及びジョセフソン接合の作製技術が鍵となる。銅酸化物高温超伝導体のジョセフソン接合技術の開発が困難を極める中で、MgB2超伝導エレクトロニクス基盤技術を確立することは、今後のこの分野の発展にとっても極めて重要である。平成19年度は、MgB_2薄膜成長のための分子線エピタキシー(MBE)装置の製作・立ち上げを行った。電子ビーム蒸発が必要なボロンに対する徹底したレートの安定化、及び、最先端の電子衝撃発光分光装置の導入による高精度蒸発レート制御により、現在までに再現性良く高品質MgB2薄膜が成長できるに至っている。現在、接合作製に取り組んでいるが、接合作製上の課題として、2ギャップ制御とバリヤ材料の選択が挙げられる。前者については、接合ジオメトリーの工夫が必要である。後者については、SIS接合に限定せずSNS接合まで視野に入れると、MgB_2と同構造のA1B_2構造の導電性硼化物が多くあるため、選定の範囲が広がる。
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