2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18080004
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水柿 義直 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (30280887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 雅隆 電気通信学部, 電気通信大学, 助教 (80282911)
小林 忠行 電気通信学部, 電気通信大学, 教授 (00123969)
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Keywords | 超伝導 / 集積回路 / インダクタンス / マイスナー効果 / 超伝導量子干渉素子 / ストリップライン / 容量結合 / 電磁界解析 |
Research Abstract |
本年度においては、(イ)2ヶ所で接続された2層グラウンド間での磁束量子化と磁気遮蔽効果、(ロ)近似モデルを用いた超伝導薄膜積層構造のインダクタンス計算、(ハ)ニオブ集積回路における平行線路間の相互インダクタンス評価、(ニ)左手系伝送路導入の検討、という4つの研究項目に取り組み、それぞれについて新たな知見を得ることができた。(イ)については、2ヶ所で接続された2層グラウンド間での超伝導ループと評価対象の超伝導ストリップラインとの位置関係によりインダクタンスが変化することが示され、これらの位置関係が超伝導多層配線の三次元設計において考慮すべき事項であることが示された。(ロ)については、超伝導体を完全導体に近似する手法を提案し、これに完全導体に対して得られているインダクタンス解析式を適用することで、超伝導ストリップラインのインダクタンスを解析的に得ることができた。(ハ)については、これまで定量的に行われていなかった配線間相互作用の評価を行い、線路構造や接地位置に対するインダクタンスの依存性を得ることができた。(ニ)については、容量結合型超伝導線路における単一磁束量子伝送特性を評価し、その容量値依存性や形状依存性を得た。これらの結果より、超伝導集積回路における多層導波路の設計技術確立に向けて、留意すべき構造や特性について明らかになると共に、新たな線路設計方法に対する基礎的データを得ることができた。
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