Research Abstract |
まず,要素研究の最終年度としての拡張・整理を行った 「ネットワーク融合」では,劣通信環境NW(ネットワーク),マルチレート無線LAN,コグニティブ無線通信,高速電力線通信等におけるNW制御技術の拡張や実装評価を通して多様なNW群の選択,切替,相互補完による融合への指針を示した.さらに,無線メッシュNWでの利用者と相互作用するAP群制御手法の評価多様なNW上の並列分散システムにおける応答時間解析や中継ノードでのXML処理の性能評価を通して,NWの多様性を意識したサービスレベルの融合の可能性を示した 「情報ダイナミクスの分析と統合」では,社会NW上の情報伝搬特性の分析を進め,おめでとうメールの特性とコンピュータウィルスの感染特性の関連を示し,口コミマーケティングにおけるハブユーザ探索法を評価した.一方,これまでの分析・知見を統合した制御手法の研究に取り組み,疎密度アドホックNWでの蓄積搬送形情報収集のための効率的なデータ転送アルゴリズム,NW資源割当における公平性の概念拡張と割当検索手法,不動点理論に基づく複雑なNW資源割当における高速検索法等の設計や評価を行った 「新たな情報伝達機構」では,ノード間距離や移動方向等の情報を識別子とする手法では,空間形状の同定に応用可能なことを理論解析と実証実験により示した.ノードの負荷状態を識別子とする手法では,手法の拡張とその枠組を理論的に一般化した.ユーザ作成の識別子を用いる手法は,多様なNWに応用先を広げた.また,情報伝達機構のユーザ識別手法やユーザからの評価取得方法の評価と,ユーザの利用効率を高めるインタフェースの実装・評価を行った.さらに以上3サブテーマを総括する目的で2011年1月に公開シンポジウム(北九州市,参加者87名)を行い,本研究課題で示したNWとユーザの多様性を活かせる融合が新世代NWへの鍵となることを確認した
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