2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18100002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 啓二 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (60143400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 茂 大阪府立大学, 工学系研究科, 准教授 (70343415)
得竹 浩 大阪府立大学, 工学系研究科, 助教 (80295716)
劉 浩 千葉大学, 工学系研究科, 教授 (10342875)
神崎 亮平 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40221907)
下山 勲 東京大学, 情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
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Keywords | 昆虫 / 飛行力学 / 神経ネットワーク / 情報処理 / 微小飛行体 |
Research Abstract |
本年度の研究はおおむね研究計画に沿って以下のように順調に進展した。 河内研究室では、自由飛行中の昆虫に視覚刺激を与えて上下運動を誘発し、自由飛行中の周波貌応答を世界で初めて計測することに成功した。自由飛行ではテザード飛行に比べて、姿勢角変化が無視できないことを見いだした。 砂田研究室では、固定翼型の微小飛行体を開発し飛行試験を行った。その結果、機体の形状や飛行制御則の改善によって、5m/秒の風速まで、安定して飛行できることを実証した。 得竹助教は昆虫と人工物の飛行特性の違いを調べた。また、砂田研究室に協力して、固定翼型の微小飛行体の制御則を考察した。 劉研究室では大きさの異なる昆虫の飛行をシミュレーションにより解析し、レイノルズ数や昆虫の生活療境の及ぼす影響を明らかにし、論文に纏めた。昆虫は、従来考えられていたよりも、羽ばたき運動と羽の周りの空気流が多様であり、これまでの1昆虫に特化して昆虫全体を推定する研究方法が危ういことを明らかにした。 神崎研究室では、スズメガの飛行制御に重要な羽の機械感覚の情報伝達経路を解析し、主要な経路全てで、食道下神経節への投射を確認した。この結果、機械感覚情報が視覚情報などと統合され、羽ばたき運動の調整を行うことが示唆された。 下山研究室では、昆虫の翅と同様に薄膜と翅脈から成るMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)人工翅の試作に世界で初めて成功した。そして翅脈の形状を変化させることによって、飛行中の羽の振り角変化の時間履歴を任意に与えることができることを見いだした。
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Research Products
(57 results)