2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18100002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 啓二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60143400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 茂 大阪府立大学, 工学系研究科, 准教授 (70343415)
得竹 浩 金沢大学, 工学系研究科, 准教授 (80295716)
劉 浩 千葉大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10342875)
神崎 亮平 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40221907)
下山 勲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
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Keywords | 昆虫 / 飛行力学 / 神経ネットワーク / 情報処理 / 微小飛行体 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるので、各チームの成果を寄せ合い、相互に検討するとともに、統一的な研究課題として、昆虫の飛行制御の回転翼機、固定翼機に対する優劣を考察した。これらは日本航空宇宙学会第48回飛行機シンポジウムに特別セッションを設定し、本基盤研究の全研究者が参加して公表した。我々の発表に対し、セッション参加者から活発な質疑応答があり、研究成果の認知と深化が図られた。研究成果を総括すると、昆虫は突風応答に優れている可能性が高く、エネルギ効率や振動特性では回転翼機や固定翼機に劣っているということになる。 各分担者の個別的な研究成果は研究計画に沿ってそれぞれ順調に進展し、その成果は各分担者から専門誌や学術書に活発に公刊された。そしてその努力は現在も継続中である。個別的な主な研究成果としては、自由飛行における昆虫飛行特性の推定法の確立とその推定結果、また流体力学、運動力学、構造力学を組み合わせた6自由度のはばたき翼シミュレーションの実施、飛翔筋と外骨格からなる筋骨格昆虫はばたきモデルの確立、MEMSセンサーによる自由飛行中のクロアゲハの羽ばたき翼に働く空気力分布の測定などがあげられる。この各分野における研究はいつれも世界で初めての研究成果であり、重要性が高い。昆虫のような生物の運動解析には、ここで試みた非線形性の高い複合的な解析方法が有効であることが確認された。さらにこれらの成果を統合すると、昆虫の持つ優れた飛行特性と、それらをもたらす詳細なメカニズムが明らかになった。
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