2008 Fiscal Year Annual Research Report
重度免疫不全NOGマウスの改良・改変によるヒト化モデル動物の基盤創設
Project/Area Number |
18100005
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 守 Central Institute for Experimental Animals, 免疫研究室, 室長 (00176364)
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Keywords | 実験動物 / 免疫不全マウス / NOGマウス / 発生・分化 / ヒト化モデル |
Research Abstract |
1.c-Kit変異を持つNOG-W/Wvマウスへのヒト臍帯血由来造血幹細胞移植で、本マウスはX線照射しなくても、従来のX線照射NOGマウスよりもヒト細胞の生着性が高いことが明らかとなった。 2.hIL-4Tg NOGマウスでは、ヒト造血幹細胞を移入でもヒト細胞が分化しないこと、ヒト末梢血単核球の移入では通常起こるGVHDが起こりにくいことが明らかとなった。 3.Notch ligandであるDelta like-1を導入したNOGマウスで、髄質部分が縮小し、大理石病様の病態を示し、ヒト血液幹細胞移植でもヒト大理石病に認められるB細胞の低下が認められた。このことからヒト大理石病のモデルとして使用できる可能性が示唆された。 4.ウロキナーゼタイププラスミノゲンアクチベータ(uPA)を導入したNOG-uPA Tgマウスを作製した。本マウスは自然にマウス肝臓細胞が死滅し、ヒト肝細胞を移入することによって、ヒト肝臓がマウスのものと60〜80%置換するマウスが作製できた。 5.ヒト末梢血単核球移入後にNOGマウスで起こるGVHDを他免疫不全マウスと比較した。その結果、NOGマウスモデルは短期でGVHDを発症する新しいモデルであることが明らかにできた。このモデルの特徴は、通常の免疫不全マウスでは難しい静脈内投与によるGVHD誘起が可能であること、しかもX線照射しなくても可能である点で極めて有力なモデルと考えられた。 6.ヒト化マウス作製のためのヒト幹細胞移入法(生体および新生児での移植)およびNOG、NOD与RAG2,γC^<null>、BALB/cA-RAG2,γC^<null>とNOD-scidマウスのヒト細胞生着性を検討した。この結果、NOGマウス、NOD-RAG2,γC^<null>マウスが他の2系統に比べ、生着性が極めて高く、その傾向は前者マウスでは生体、新生児を使ってもほぼ同じであることを明らかにできた。
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