2009 Fiscal Year Annual Research Report
重度免疫不全NOGマウスの改良・改変によるヒト化モデル動物の基盤創設
Project/Area Number |
18100005
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 守 Central Institute for Experimental Animals, 免疫研究室, 室長 (00176364)
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Keywords | 実験動物 / 免疫不全マウス / NOGマウス / 発生・分化 / ヒト化モデル |
Research Abstract |
ヒト化動物(ヒトの免疫系完全構築、ヒト特定細胞生着増殖、ヒト組織・臓器易生着)の作出のための基盤となる高度免疫不全マウスの作製を目的に研究を継続した。昨年度までに、36系統に及ぶ複合免疫不全マウスを作製し、それらのヒト化マウスとしての有用性を検討している。今年度は以下のような結果を得た。1.ヒトIL-4遺伝子を導入したhIL-4-NOGマウスではヒト末梢血単核球(PBMC)移入後に起きるDVHDが抑制される。この抑制は、マウス内のヒトCD4+細胞がTh2型のT細胞に移動した結果であることが確認された。2.NOGマウスでのヒト細胞の高生着性の原因を調べるために、NOGマウスでヒトPBMC移入後に起きるDVHDの発症を指標にして、NOD-scidの脾細胞分画をNOGマウスへ移入し、高生着性に関与する細胞群を検討した。その結果、NOGマウスではIFNg産生細胞障害性樹状細胞(IKDC)が欠失していることが高生着性の原因であることを明らかにした。3.ヒトIL-2遺伝子導入hIL-2-NOGマウスではヒトPBMCの移入後のDVHDの発症が亢進することが明らかとなった。4.新たに作製したNOGマウスにc-kit^<Wsh>を導入したNOG-Wshマウスでは、マウスの肥満細胞が欠失していることを確認した。5.マウスMHC1/2を欠損したNOG-IAb^<null>b2m^<null>マウスではヒトPBMC移入後に起こるGVHDが起こりにくいことを明らかにした。その他、新たな系統作出を継続している。
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Research Products
(19 results)