2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境変異源によるDNA二重鎖切断の発生と発がん過程
Project/Area Number |
18101002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 賢志 Kyoto University, 放射線生物研究センター, 教授 (80124577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 孝司 大阪府立大学, 産学官連携機構, 教授 (80182301)
田内 広 茨城大学, 理学部・地球生命環境科学科, 教授 (70216597)
加藤 晃弘 京都大学, 放射線生物研究センター, 研究員 (70423051)
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Keywords | NBS1 / SMC1 / 環境変異原 / 損傷乗り越え合成 |
Research Abstract |
DNA二重鎖切断はかって電離放射線照射により誘発される特殊なDNA損傷と思われていた。しかし、従来の生化学的方法方法よりも数百倍-数千倍の高感度なDNA二重鎖切断の検出が可能になった結果、環境変異原もDNA二重鎖切断を誘発することが次第に明らかとなった。本年度に我々が調べた紫外線、多環芳香族化合物(ベンゾ「a」ピレンなど)、ゲニステン(8-12μg/ml),エトポシド(5-20μg/ml),アスベスト、ソラーレンなどほとんど全ての環境変異原によるヒストンH2AXリン酸化が観測され、これらは環境変異原性の指標として有効である可能性が示された。また、興味深いことに、これらのフォーカス形成はS期に特異的に発生してDNA複製フォークの停止と重なっていることが示された。また、ソラーレンのDNAへの結合には紫外線が必要であり、複合的な組み合わせによる環境変異原性の増加の可能性も示唆された。DNA複製停止の結果として損傷乗り越え合成が誘導され、その誤りがちなDNA合成のポリメラーゼηによるG:C→T:Aトランスバージョン突然変異がゲノム不安定化の原因であることが示された。一方、染色体異常の誘発にはさらにChk1やSMC1などのチェックポイント蛋白が関与している。特に、SMC1は放射線照射後に形成される複合体BRCA1/NBS1の破綻が染色体異常を誘発する事が示された。これらの環境変異原の細胞応答にはヒストンH2AXのリン酸化やユビキチン化が必要であり、その破綻がゲノム不安定化の原因となることも示された。
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Research Products
(5 results)