2008 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解光電子顕微鏡による超高速磁気応答現象の観測
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18101004
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
木下 豊彦 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門・分光物性IIグループ, グループリーダー・主席研究員 (60202040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 隆桂之 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・材料電子状態解析チーム, 主幹研究員 (50416385)
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 磁区 / ダイナミクス / ポンプ&プローブ法 / 時間分解観察 / 放射光 / 微小領域磁性 / 磁気応答 |
Research Abstract |
昨年度までに、測定のための基本システムはほぼ完成し、レーザーと放射光パルスとの同期、再生増幅器からの強力レーザーパルスと放射光パルスとの同期(5kHz)などがほぼできるようになった。そして、フォトダイオードにレーザーパルスを照射することで、放射光パルスと同期を取った高速磁場パルスに対するメソスコピック磁性体の磁気ダイナミクスの観測を行っている。また、光誘起によって生じる磁化反転のダイナミクス観測へ向けて、NiOなどの磁区観察も詳細に行っている。H20年度には、ここまでの研究成果をLEEM/PEEM国際会議で報告したほか、一部は論文発表も行った。さらに、高速パルスのインピーダンス整合をより適切に取ることにより、磁場パルスに生じていた反射パルスの影響も極力抑えることに成功し、より精度を上げた観測が行えるようになりつつある。また、孤立ドットだけでなく、相互作用が働いていると思われる近接ドットの観測にも成功し、ドット間に相互作用が働いている様子が観測できている。 光誘起によるダイナミクス観測のために、5kHzでの強力レーザーパルスと放射光パルスとの同期を実現している。しかし、この繰り返し周波数では、非常に弱い光電子顕微鏡像しか取れないことが予想される。少しでも放射光の光束密度を上げる必要があり、前年度から準備を進めていた、高光束密度対応の回折格子を新たにビームラインに導入した。その結果、それ以前の10倍程度の強度を稼ぐことに成功し、今後実際の測定に応用していく予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Application of spectroscopic photoemission and low energy electron microscope to high-k gate dielectrics : Relationship between surface morphology and electronic states during Hf-silicide formation2008
Author(s)
R. Yasuhara, T. Taniuchi, H. Kumigashira, M. Osaima, F. Guo, T. Kinoshita, K. Ono, K. Ikeda, G. -L. Liu, Z. Liu, K. Usuda
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Journal Title
Applied Surface Science 254
Pages: 4757-4761
Peer Reviewed
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[Journal Article] Magnetic-domain structure analysis of Nd-Fe-B sintered magnets using XMCD-PEEM technique2008
Author(s)
Y. Yamamoto, M. Yonemura, T. Wakita, K. Fukumoto, T. Nakamura, T. Kinoshita, Y. Watanabe, F. -Z. Guo, M. Sato, T. Terai, T. Kakeshita
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Journal Title
Material Transactions 49
Pages: 2354-2359
Peer Reviewed
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[Presentation] 静磁気的に結合したミクロンサイズ磁気円盤配列における磁気渦コアダイナミクスの観測2008
Author(s)
新井邦明, 福本恵紀, 奥田太一, 中村哲也, 木村崇, 正木博明, 松下智裕, 大沢仁志, 室隆桂之, 大谷義近, 柿崎明人, 木下豊彦
Organizer
日本物理学会2008年秋季大会
Place of Presentation
岩手大学
Year and Date
20080920-20080923
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[Presentation] 静磁気的に結合したミクロン磁気円盤配列における磁気渦コアダイナミクスの観測2008
Author(s)
新井邦明, 福本恵紀, 奥田太一, 中村哲也, 木村崇, 松下智裕, 大沢仁志, 室隆桂之, 大谷義近, 柿崎明人, 木下豊彦
Organizer
日本磁気学会第32回学術講演会
Place of Presentation
東北学院大学(多賀城)
Year and Date
20080912-20080915
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