2010 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解光電子顕微鏡による超高速磁気応答現象の観測
Project/Area Number |
18101004
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
木下 豊彦 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主席研究員 (60202040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 隆桂之 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (50416385)
大河内 拓雄 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (00435596)
小嗣 真人 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (60397990)
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 磁区 / ダイナミクス / ポンプ&プローブ法 / 時間分解観察 / 放射光 / 微小領域磁性 / 磁気応答 |
Research Abstract |
平成22年度は、これまでに構築してきた時間分解光電子顕微鏡測定のためのシステムを用い、レーザーと放射光パルスとの同期、再生増幅器からの強力レーザーパルスと放射光パルスとの同期(5kHz)などに関する実験を進める一方で、取得したデータ解析、外部発表を行った。放射光パルスと同期を取った高速磁場パルスに対するメゾスコピック磁性体の磁気ダイナミクスの観測では、近接したドット間に相互作用が働いており,ダイナミクスもその影響を受けていることを見出した。また、光誘起によって生じる磁化反転のダイナミクス観測へ向けて、NiOなどの磁区観察や、電流駆動による磁壁移動観察に向けた研究も詳細に行っている。ここまでの研究成果をNSS6国際会議をはじめ各種学会で報告したほか、一部は論文発表も行った。 光誘起によるダイナミクス観測のために、5kHzでの強力レーザーパルスと放射光パルスとの同期を実現しているが、レーザーの非線形効果により、光電子のバックグラウンドが大きくなり、詳細な顕微鏡観察が難しい状況にあることが分かった。したがって、放射光を高速でさえぎるシャッターを導入し、レーザー光による光電子のバックグラウンドを差し引く技術も開発している。このシステムを使って、光による磁化反転が起こるGdFeCo薄膜を準備し、円偏光によって磁化反転を制御することに成功した。現在、その時間分解光電子顕微鏡測定に向けた研究が進行している。
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Research Products
(16 results)