2009 Fiscal Year Annual Research Report
超異方性ナノシリンダー構造形成・転写過程のX線散乱―分光同時評価とダイナミクス
Project/Area Number |
18101005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
彌田 智一 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (90168534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 茂 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (70253333)
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Keywords | X線散乱 / シリンダー構造 / ブロックコポリマー / 転写複合化 / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
本研究は、材料作製に効率よくフィードバックできる実験室仕様の薄膜小角X線散乱-分光同時測定システムを開発し、世界最高品位の垂直配向ナノシリンダーアレイ(NCA)構造の(1)形成プロセス、(2)外場配向制御プロセス、(3)ナノ構造転写・複合化プロセスを分子レベルからナノ構造レベルに至る配向・構造ダイナミクスを解明する。実験室使用のX線源を用いて、本研究者等が開発した両親媒性液晶ブロックコポリマー薄膜のGISAXS信号を数十分の測定時間で検出した(Chemistry Letters, 28, 408-409(2009))。このことは、本研究目標の基盤を整えるもので、付設の分光測定用ステージによる分光同時測光への道を拓くものである。具体的には、(1)重金属染色によるコントラスト増強無しで、スメクティック相液晶層構造と垂直配向シリンダー構造の散乱ピークの検出、(2)付設温度可変ステージによる温度可変GISAXS測定により、スメクティックC相における液晶メソゲンのチルト角の直接測定、(3)ラビング処理した基板や本年度に発見した塗工前濃厚溶液のフィルター効果による面内配向シリンダー構造のGISAXS測定による確認を行った。特に、(3)については、溶液濃縮過程におけるミセル会合構造のデフォーメーションが面内配向構造を誘起することを明らかにし、同じブロックコポリマーによるシリンダー構造の垂直配向と面内配向を塗工プロセスによって制御できることを開発した。さらに、垂直配向シリンダー構造のブロックコポリマー薄膜をマスクとするシリコンウエハ表面の全湿式表面ナノパターニングを確立し、得られた世界最小の16nm周期のナノホールアレイ構造のGISAXS測定により確認したほか、シリンダー内電解重合による導電性高分子ナノワイヤアレイ構造、ゾルゲル法を適用したシリカナノピラーアレイ構造など本研究対象の各種材料へのナノ構造転写・複合化プロセスの構造形成のモニタリングに成功した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
小村元憲、彌田智一(分担執筆)
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Journal Title
ソフトマター 分子設計・キャラクタリゼーションから機能性材料まで(丸善)
Pages: 59-68
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