2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18101007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白髭 克彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (90273854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 亨 (財)癌研究会, 癌研究所・実験病理部, 部長 (50421368)
須谷 尚史 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (30401524)
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Keywords | 染色体構築 / DNAチップ / 染色体分配 / 染色体凝縮 / 染色体複製 |
Research Abstract |
以下の成果を得た。 1) Ecolによる姉妹染色分体間接着の確立機構の解析姉妹染色分体間接着確立因子Ecol(アセチル転移酵素)の作用機序を明らかにするために、eco1-1温度感受性変異の抑圧変異を単離した。変異のスクリーニングはDNAチップを用いて行う新規手法を導入し、結果として、Rad61、Pds5、Scc2の3遺伝子を得た。Rad61および、Pds5はコヒーシンのサブユニットである。生化学的解析の結果、rad61およびpds5に生じたecol-1の抑圧変異は、コヒーシン複合体の染色体への結合を不安定にすることが判明した。この事実と、EcolがSmc3をアセチル化することを考え合わせると、EcolによるSmc3のアセチル化によりRad61、Pds5が不安定になり、コヒーシンが脱落しやすくなると考えられる。現在、Smc3のアセチル化の意義をさらに検証している。 2) コヒーシン関連疾患の分子病態について CdLS(コルネリア デ ランゲ症候群)はコヒーシンあるいはコヒーシンローダーに変異が入ることで引き起こされる重篤な疾患である。患者は四肢の奇形、小頭症、精神発達遅延を示し、重篤な分化異常が生じている。CdLSの患者より単離したB細胞を用いて、コヒーシンの局在解析、転写解析を行った。その結果、CdLSの患者ではコヒーシンの4割が失われており、失われたコヒーシン結合部位近傍からの転写が、CdLS患者では誘導されることがわかった。このことは、ヒト染色体上に存在するコヒーシンの4割は細胞分裂には必要なく、むしろ、転写抑制に必要であることを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Transcriptional Dysregulation in NIPBL and Cohesin Mutant Human Cells.2009
Author(s)
J. Liu, Z. Zhang, M. Bando, T. Itoh, M. A. Deardorff, D. Clark, M. Kaur, S. Tandy, T. Kondoh, E. Rappaport, N. B. Spinner, H. Vega, L. G. Jackson, K. Shirahige, I. D. Krantz
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article] Rad5 1 suppresses gross chromosomal rearrangement at centromere in Schizosaccharomyces pombe.2008
Author(s)
K. Nakamura, A. Okamoto, Y. Katou, C. Yadani, T. Shitanda, C. Kaweeteerawat, T. S. Takahashi, T. Itoh, K, Shirahige. H. Masukata, T. Nakagawa
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Journal Title
EMBOJ. 27
Pages: 3036-3046
Peer Reviewed
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