2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いたGal4エンハンサートラップ法による脊椎動物初期発生研究
Project/Area Number |
18101008
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川上 浩一 National Institute of Genetics, 国立遺伝研究系・個体遺伝研究系, 教授 (70195048)
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Keywords | 分子生物学 / 発生遺伝学 / ゼブラフィッシュ / トランスポゾン / 細胞特異的遺伝子発現 / 転移酵素 / 遺伝子トラップ / トランスジェニック動物 |
Research Abstract |
(1)Tol2トランスポゾンベクターに、スプライスアクセプター部位、Gal4遺伝子、SV40ポリAシグナルを組み込んだ遺伝子トラップコンストラクトを構築した。また、hsp70プロモーター、Gal4遺伝子、SV40ポリAシグナルを組み込んだエンハンサートラップコンストラクトを構築した。 (2)これら遺伝子トラップ・エンハンサートラップコンストラクトをゼブラフィッシュゲノムにランダムに挿入させ、Gal4の認識配列UASの下流にGFPを組み込んだトランスジェニックフィッシュとかけあわせGal4発現をGFP発現で視覚化することにより、Gal4を組織・細胞・器官特異的に発現するゼブラフィッシュの作製を行った。ゼブラフィッシュにおけるGal4を用いたスクリーニングを世界に先駆けて実施した。 (3)Gal4を後脳の介在神経、脊椎内の介在神経、感覚神経で発現するトランスジェニックフィッシュの系統化を行った。これらトランスジェニックフィッシュをUASの下流にテタナス毒素遺伝子とCFP遺伝子との融合遺伝子を組み込んだトランスジェニックゼブラフィッシュとかけあわせた。免疫抗体法により融合遺伝子の特異的神経回路における発現を確認した。さらに、Gal4遺伝子とテタナス融合遺伝子の二重トランスジェニックフィッシュがGal4を発現している神経回路に応じた行動異常を示すことを示した。これらのことから、テタナス毒素が特異的な神経回路の機能を阻害すること、及びそれらの神経回路がゼブラフィッシュの異なる行動パターンを制御していることを明らかにした。
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