2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いたGal4エンハンサートラップ法による脊椎動物初期発生研究
Project/Area Number |
18101008
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川上 浩一 National Institute of Genetics, 個体遺伝研究系, 教授 (70195048)
|
Keywords | 分子生物学 / 発生遺伝学 / ゼブラフィッシュ / トランスポゾン / 神経科学 / エンハンサートラップ / 遺伝子トラップ / トランスジェニックフィッシュ |
Research Abstract |
1.Tol2ベクターに、スプライスアクセプター、Gal4遺伝子、SV40ポリAシグナルを組み込んだ遺伝子トラップコンストラクト、及びhsp70プロモーター、Gal4遺伝子、SV40ポリAシグナルを組み込んだエンハンサートラップコンストラクトをゲノムにランダムに挿入させ、Gal4を細胞・組織・器官特異的に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを200系統以上作製した。これらGal4の発現はGal4認識配列UASの下流にGFPを組み込んだトランスジェニックフィッシュとかけあわせることにより視覚化した。Gal4を血管特異的、中枢神経系特異的に発現するゼブラフィッシュが得られた。これらは脊椎動物血管系の形態形成、神経機能の研究に有用である。 2.UASの下流に改変型毒素遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュを作製した。この系統を神経特異的Gal4系統とかけあわせたところ、我々が開発したこれまでの毒素遺伝子発現系統より、はるかに効果的に神経機能を阻害できることがわかった。脊椎動物神経機能解析のブレークスルーとなる。 3.UASの下流にカルシウム濃度に応答して蛍光強度が強くなるGCamp遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュを作製した。この系統を神経特異的Gal4系統とかけあわせたところ、神経活動に依存して蛍光の増強が観察された。脊椎動物神経活動を生きている胚において検出できる画期的なシステムである。 4.UASの下流に光に応答して開閉するチャンネルロドプシンをコードする遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュを作製した。この系統を神経特異的Gal4系統とかけあわせたところ、光照射により行動を誘起できることがわかった。脊椎動物神経活動を生きている胚において制御する画期的なシステムである。
|