2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いたGal4エンハンサートラップ法による脊椎動物初期発生研究
Project/Area Number |
18101008
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川上 浩一 National Institute of Genetics, 個体遺伝研究系, 教授 (70195048)
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Keywords | 分子生物学 / 発生遺伝学 / ゼブラフィッシュ / トランスポゾン / 神経科学 / エンハンサートラップ / 遺伝子トラップ / トランスジェニックフィッシュ |
Research Abstract |
1.To12ベクターに、改変型Ga14遺伝子を組み込んだ遺伝子トラップコンストラクト、エンハンサートラップコンストラクトをゼブラフィッシュゲノムにランダムに挿入させた。平成21年度にはGa14を細胞・組織・器官特異的に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを新たに200系統以上作製した。これらGa14の発現はGa14認識配列UASの下流にGFPを組み込んだトランスジェニックフィッシュとかけあわせることにより視覚化した。特にGa14を神経細胞特異的に発現するゼブラフィッシュは100系統以上得られ、当初の目的を達成した。またIRESを組み込んだ遺伝子トラップコンストラクトを構築しパイロットスクリーニングを行い、IRESの有効性を明らかにした。 2.UASの下流にボツリヌス毒素遺伝子を組み込んだトランスジェニックフイッシュを作製し、この系統が、我々がこれまでに開発したUASテタヌス毒素遺伝子トランスジェニック系統より、はるかに効果的に神経機能を阻害できることを明らかにした。またこれをCre-loxPシステムと組み合わせ、条件的神経機能阻害システムを構築しつつある。 3.UASの下流にカルシウム濃度に応答して蛍光強度が強くなるGCaMP遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュを作製した。この系統を運動神経特異的にGa14を発現する系統とかけあわせて得られた二重トランスジェニックフィッシュにおいて、運動神経の規則的な活動を蛍光の増強として可視化することに成功した。これは生きている脊椎動物の神経活動を観察できる画期的なシステムである。 4.Ga14を嗅覚神経特異的に発現するトランスジェニックフィッシュを作製した。この嗅覚神経の機能をUASの下流に神経毒素遺伝子を組み込んだトランスジェニッフィッシュとかけあわせ、行動を解析することにより、アミノ酸の認識に関与する嗅覚神経群を明らかにした。
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