2007 Fiscal Year Annual Research Report
徹生物と植物のペプチド性因子に関する生物有機化学的研究
Project/Area Number |
18101009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂神 洋次 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80107408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小鹿 一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50152492)
近藤 竜彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (30362289)
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Keywords | クオラムセンシング / フェロモン / イソプレノイド / 翻訳後修飾 / CLV3 / 気孔 |
Research Abstract |
本研究の目的は大きく分けて2つある。その第一は、枯草菌のペプチド性フェロモンに関する研究であり、第二は植物のペプチド性フェロモンに関する研究である。 まずこれまで質量分析からは、側鎖のゲラニル基が変化していると考えられていたComXRO-H-1フェロモンの構造が、やはりゲラニル基であることを証明した。またComXRO-C-2フェロモンの側鎖がファルネシル基であることを決定した。ゲラニルトリプトファンに対する抗体の作成と、ComXフェロモンの前駆体タンパク質に対するコンセンサス配列の分析は、現在まで成功していない。しかしながら、予備的な実験ながら、ComXRO-E-2フェロモンの前駆体を化学合成し、修飾酵素ComQを過剰発現させた大腸菌より調製したセルフリー系によりゲラニル化が起こり、修飾ペプチドが作られることを質量分析で確認した。 野性型の植物において気孔は通常隣り合わせには決してできず、一定間隔で分布している。本年度は、2種類の遺伝子にコードされているペプチドの成熟型構造を解明しようとした。M遺伝子を過剰発現させると気孔の密度が上がり、しかも隣り合わせに形成される。一方、S遺伝子を過剰発現すると気孔の密度が極端に低下する。これらのシロヌイナズナ過剰発現株を用いて、MCLV3で成功したin situ MALDI TOFMS法や、抽出・精製という天然物化学的方法を試みたが成功しなかった。そこで、予備的な実験ではあるが、M遺伝子がコードする配列に基づき前駆体タンパク質を化学合成したところ、このタンパク質が生物活性を持つことが示された。
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