Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 啓 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00201666)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20273427)
上 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134443)
加藤 文元 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50294880)
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Research Abstract |
本年は,toric多様体のfiberのFloer homologyの,昨年度から始めていた研究が進展した.昨年度分かったことではLagrangian Floer theory on compact toric manfold Iを執筆,投稿し,ネット上で公表した.その後,シンプレクティック多様体のホモロジー類を用いた変形(bulk変形)を行うと,自明でないフレアーホモロジーをもつファイバーの例が増え,非可算無限個ある例もあることが分かり,その内容を中心に上記続き論文IIを執筆し,インターネット上で公表した.bounding chainによる変形,bulk変形という,我々が導入した設定が,nondisplaceableファイバーを決めるのに基本的であることが明確になり,その意義がより確立した. bulk変形を用いることで,グロモフウィッテン不変量とラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーの関係がより組織的になる.これは,グロモフウィッテン不変量と深谷圏のホッホシルドホモロジーの同型として,1994年のKontsevitchのホモロジー的ミラー対称性予想の提示の時点からある程度予想され,てきたものであるが,toric多様体の(大きな)量子コホモロジーとPotential functionの族のヤコビの族の環同型として,任意のtoric多様体の場合に証明することに成功した.この結果,フレアーホモロジーが消えないfiberの数が(bulk変形を固定,重複度も含めて数えると)ベッチ数に一致することが証明できた.これは上記Iの執筆時には予想としていたことである. さらに,toric多様体のPoincare双対が,上記変形でResidue対になることが分かり,量子コホモロジー上のドブロビンのフロベニウス多様体構造と,Potential functionの斉藤の平坦構造の一致が示された.これらについては論文を執筆中である.
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