2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18104002
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
三村 昌泰 Meiji University, 理工学部, 教授 (50068128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
柳田 英二 東北大学, 理学研究科, 教授 (80174548)
俣野 博 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (40126165)
小林 亮 広島大学, 理学研究科, 教授 (60153657)
栄 伸一郎 九州大学, 数理学研究院, 教授 (30201362)
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Keywords | 反応拡散系 / 非線形非平衡系 / 自己組織化 / モデル構築 / 沈殿反応 / 不均一媒質下の進行波 |
Research Abstract |
研究成果は主に,「モデリング」と「パターン、爆発現象の解析および、そのための解析法の開発」の2つに分けられる。まず、非線形非平衡下での樟脳円板運動,リーゼガング沈殿反応に現れる時空間パターン、真正粘菌ネットワーク構築等の現象は非線形非平衡系して起こることをモデル構築解析から示唆した。次に,非線形非平衡反応拡散系に現れるパルス進行波解の媒質不均一性への依存性,更に,多次元平面フロント進行波解が障害物にぶつかった後の挙動の非線形解析,パルス定常波解,パルス進行波解等の挙動を調べるための中心多様体理論など反応拡散方程式に対して新しい手法を開発した。具体的に幾つか成果を以下に挙げる。 (1)水面に浮かべた樟脳円板は,その対称性から動きにくいことが予想されるが,モデル方程式の解析から円板が小さいときには停止するが,ある臨界値を超えると運動を始めることが分岐理論から示された。 (2)沈殿化学反応の1つにリーゼガング反応は古くから良く知られている。最近,媒質のゲル濃度を変化させると,多様で複雑なパターンが出現することが実験より示唆された。それに対して,非線形非平衡反応拡散系モデルを構築することから,理論的説明が可能となった。 (3)媒質が不均一のとき,パルス進行波のピンニング-デピンニング転移のメカニズムを大域分岐構造の視点から明らかにした。それにより、パルス波の一方向制御を含む不均一性によるパルス制御法の可能性を示した。 (4)空間N次元のAllen-Cahn型拡散方程式には、平面波と呼ばれる平坦な波面をもつ進行波が存在する。この平面波が有限の大きさの障害物にぶつかったときに何が起こるかを解明した。最終的に平面波の波面は全空間で一様に平坦さを取り戻すことを示したが,障害物の形状によって平坦さの回復の仕方が微妙に異なることも明らかにした。
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Research Products
(18 results)