2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18104003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤本 正行 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (00111708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 憲一 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (90110676)
小笹 隆司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90263368)
青木 和光 国立天文台, 光赤外線部, 助教 (20321581)
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Keywords | 恒星進化 / 超新星爆発 / 核種合成 / 星間塵形成 / 星形成 / 銀河形成 / 第一世代の恒星 / 超金属欠乏星 |
Research Abstract |
本研究の4年目に当たり、これまでの宇宙黎明期の恒星の進化と核種合成の特性の理論、観測の両面からの研究の成果を踏まえて、銀河系の形成過程、近傍の矮銀河の特性の研究など宇宙開闢史解明を進め、near filed cosmologyの本格的な取り組みを始めた。 CDMシナリオにも続くmerger treeを構成するコードを開発し、銀河形成史の研究に着手した。本研究の特色は、超金属欠乏星の統計から求めたの高質量の恒星の初期質量関数を用いたことで、金属量分布関数との比較を通して、宇宙最初の恒星の質量関数の解明を進めた。この宇宙最初の恒星については、質量(140-300Msun)範囲の大質量星が引き起こす電子対生成不安定に起因する核爆発型の超新星が宇宙初期の元素合成に大きな寄与をしているかどうかが、現在論争点となっているが、これについて、最近発見された極端に一群の明るい超新星(LSN)については100Msun程度の大質量星が重力崩壊による極超新星という巨大エネルギーの爆発で説明でき、PISNは初期の光度曲線で区別できることを示した。また、IIb型超新星爆発時でのダスト形成と周縁ガスの密度構造を考慮した残骸中のダストの進化計算を行い、残骸中に存在するダスト量とダストからの熱輻射スペクトルの時間進化とI調べた。 観測では、スローン・デジタルスカイサーベイによる銀河初期に生まれた星(金属欠乏星)の検出を推進し、2年間にわたったすばる望遠鏡によるフォローアップ観測(インテンシププログラム)を完了した。次年度における観測成果の公表に向けた準備を進めている。この研究の過程で発見された超金属欠乏星については研究結果を公表した。また、銀河系周辺に点在する矮小銀河は、銀河系形成との関連から重要性が注目されているところであるが、そこに含まれる超金属欠乏星についてもすばる望遠鏡による研究を推進した。
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