2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18104004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧島 一夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 知洋 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50342621)
平賀 純子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (00446527)
稲田 直久 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任研究員 (20462658)
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Keywords | X線・ガンマ線天文学 / 銀河団 / プラズマ物理学 / すざく衛星 / 光学観測 / 粒子加速 |
Research Abstract |
今年度は、本研究の最終年度として、以下の研究成果をえることができた。 1.プラズマとの相互作用で、メンバー銀河が銀河団の重力ポテンシャルの中心に落下してきた証拠を得るため、スローン・デジタル・スカイ・サーベイのデータやハワイ大学2.2m望遠鏡による可視光での銀河団データを、XMM-Newton衛星のアーカイブX線データと比較して解析を進めた。その結果、期待どおり遠方の銀河団ほど、銀河がプラズマの周辺部分まで広がっているという進化の傾向が見えつつある。 2.「すざく」によるAbell 1689銀河団の観測では、周辺の大構造に伴うフィラメントから、銀河団が生成されつつある傍証をつかむことができた。 3.超強磁場での誘導電場加速を研究するため、「すざく」衛星によるマグネターの観測を進め、異常に硬いハードテール成分は、マグネターの磁気圏プラズマ中で生じたガンマ線が、強い磁場の中で「光子分裂」を繰り返した結果であるという可能性を得た。 4.物質とプラズマの相互作用の好例として、「すざく」を用いてハード状態にあるブラックホール連星の観測を進め、高温のコンプトンコロナがきわめて非一様であることを突き止めた。 5.2014年に打ち上げ予定の次期X線衛星ASTRO-Hに向け、硬X線撮像装置および軟ガンマ線検出器の開発を進めた。
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