2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子鎖の実像観察に基づく高分子科学の新展開:近接場光学顕微鏡での実証的基礎研究
Project/Area Number |
18105005
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 紳三郎 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (50127049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大北 英生 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50301239)
青木 裕之 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90343235)
辨天 宏明 京都大学, 工学研究科, 助教 (60422995)
|
Keywords | 高分子構造 / 近接場光学 / 走査顕微鏡 / 蛍光法 / 単一分子鎖 / 高分子薄膜 / 二次元空間 / 分子配向 |
Research Abstract |
高分子の1分子鎖の大きさは数10nmであることから、本研究では、10-100nmの空間領域の高分子科学に近接場光学顕微鏡という新たな手段を開発し挑戦してきた。前半の研究期間でナノメートルスケールの空間分解能と単一分子をも検出できる高感度という優れた特性をもつ近接場光学顕微鏡の開発を行い、高分子科学における基礎的重要事項を単一分子鎖レベルから実証的に研究することを可能にした。平成20年度は、その実績に基づいて、以下のような項目について、分子鎖レベルでの構造と高分子機能を探求する基礎研究を展開した。 1. 薄膜・超薄膜・単分子膜での高分子鎖の凝縮形態の解明 高分子超薄膜という二次元的に自由度の減少した空間内に分子鎖が束縛されることにより、各々の高分子鎖が他の分子鎖を排斥し、自己収縮した形態となることを近接場光学顕微鏡の実像により証明した。 2. マクロな延伸配向にともなう単一分子鎖のミクロ変形と伸張配向過程 高分子固体試料の延伸にともなう分子鎖配向と緩和現象について、近接場光学顕微鏡で観察される分子鎖伸張をて定量的に解析し、アフィン変形についての実験的な根拠を与えることに成功した。 3. ブロック共重合体のミクロ相分離構造における高分子鎖の分布と形態 A-Bブロック共重合体が造るミクロ相分離構造において、ラメラミクロドメインという特異な制限空間内で高分子鎖がとる位置、配向、形態を初めて明らかにした。
|
Research Products
(6 results)