2007 Fiscal Year Annual Research Report
絹構造の改変・構造制御・大量生産技術の確立と歯・骨再生医療材料の開発
Project/Area Number |
18105007
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
朝倉 哲郎 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (30139208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮浦 千里 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20138382)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 生体材料 / 移植・再生医療 / 蛋白質 / 絹 |
Research Abstract |
歯・骨の再生医療のための要請を満たす材料を、絹ならびに新規絹様タンパク質を用いて開発するために、以下の研究を行った。 1.カルシウム結合性、細胞接着性ならびに親水性の増加を目指した10種類以上の新規絹様タンパク質の大腸菌による生産を行った。また、細胞接着性の高い新規タンパク質のトランシジェニックカイコでの生産を行った。 2.絹と新規絹様タンパク質を用いて、絹フィルム、絹不織布ならびに絹スポンジを作成、マウスを用いた評価実験に用いた。 3.骨芽細胞培養系を用い、新規絹様タンパク質について、細胞接着性・細胞増殖性の評価を行った所、特に、絹様タンパク質は良好な成績を示した。 4.In vitroでの骨形成を評価する骨芽細胞培養系における石灰化結節の形成の観察を新規絹様タンパク質との共培養試験にて検討した。絹様タンパク質は骨芽細胞分化を促進し、アルカリフォスファターゼ活性の上昇を伴って石灰化結節を形成した。また、高次構造の改変によりラメラ構造を導入した絹様タンパク質では、カルシウムの沈着促進が観察された。 5.骨形成の亢進を示した培養群について、絹上で培養した骨芽細胞由来のmRNAを採取した。対照群として、絹の無いシャーレ上で培養した骨芽細胞由来のmRNAを採取し、遺伝子の比較解析をおこなった。骨形成の亢進に関与する遺伝子群を中心に調べた結果、骨芽細胞の分化に関わる数種の転写調節因子の発現上昇が認められ、さらに、骨形成の指標であるオステオカルシン遺伝子の発現ヒ昇が観察された。 6.骨移植材に適する数種に絞られた材料に対する生体適合性試験をマウス皮下移植法により検討した。経時間的な解析による移植絹のサイズ変化計測による吸収度の判定、組織切片の解析による生体適合性を評価した。2種の移植材について検討したところ、移植初期に炎症反応を認めたが、長期的には良好な生体適合性を示し、これら移植材は経日的に吸収されることを認めた。
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Research Products
(64 results)