2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18106003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂 真澄 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 和彦 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50250676)
巨 陽 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60312609)
村岡 幹夫 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (50190872)
燈明 泰成 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50374955)
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Keywords | 金属ナノマテリアル / 原子拡散 / 原子集約 / 原子再配列 / 高い秩序度 / 機械的特性 / 金属ナノコイル / ナノ接合 |
Research Abstract |
平成21年度は申請時に計画した研究を遂行し、以下の研究実績を得た。 1.2元素ナノワイヤ創製の実現 ナノワイヤを心材として外表面に異種元素を堆積させることで2元素ナノワイヤを作製すると共に、当該構造体を高温放置し、中心ナノワイヤをクリープ流動させることで、螺旋構造体を創製することに成功した。また、2種類の元素の配線を直交させた試験片に対する数値解析手法の基礎を確立した。 2.ナノボール創製の実現 真空チャンバ内でのAlナノボール創製を試み、真円度の高いナノボールの創製には表面張力が機能する気圧が不可欠であることを明らかにした。また、エレクトロマイグレーションにより多量の原子を集約できる条件(電流、基板温度)を数値シミュレーションにより見出すことに成功し、これまでよりも効率的、かつ理論的にナノボールを創製することを可能にした。 3.ナノボールの機械的特性評価 ナノボール等、基板上に創製した金属ナノ材料をマニピュレータと接続した細線にジュール熱溶接し、対象物をピックアップする手法を確立した。これによりエレクトロマイグレーションを用いて作製した金属ナノ材料の弾塑性特性を開発した微小材料試験装置により評価することを可能にした。さらに、質量集中型原子間力顕微鏡法により、基板上に創製した金属ナノ材料の弾性特性評価を可能にした。 4.ナノチューブ流体センサの実現 流体の流動性を向上できるU型金属ナノチューブの開発に成功した。チューブの開口部に開発したマイクロ波原子間力顕微鏡プローブを配置することによって、チューブ内の液体の導電率、誘電率の変化から液体の種類や状態の検知が可能なシステムを考案した。また、直径800nmなる白金極細線を含む電気回路をジュール熱溶接により作製し、通電区間上の電位差を測定することで細線の電気抵抗率を算出することにも成功した。これらの成果はナノチューブ流体センサの基礎を築くものである。
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Research Products
(41 results)