2008 Fiscal Year Annual Research Report
低次元プラズモンの分散制御を利用した電磁波伝搬モード型回路の研究
Project/Area Number |
18106006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾辻 泰一 Tohoku University, 電気通信研究所, 教授 (40315172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RYZHII VICTOR 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (90254078)
佐野 栄一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (10333650)
楢原 浩一 山形大学, 工学部, 准教授 (00422171)
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Keywords | 高速伝送回路設計 / プラズモン / テラヘルツ / 赤外材料・素子 / 分散制御 / 電磁波 |
Research Abstract |
本研究は、低次元プラズモンの分散制御を利用した新規な電磁波伝播モード型回路の創出をめざすものである。研究第3年次にあたる今年度は、プラズモン分散制御基盤技術の更なる展開として以下のとおり実施した。 1. 低次元プラズモン分散制御機構解明とモデル化 : 2重回折格子ゲートを有する独自構造の2次元プラズモン共鳴エミッタの自励発振機構を探求した。2重回折格子ゲート下のバイアス依存なプラズモンの挙動を解析した。その結果、電子濃度・ドリフト速度の周期的空間変調に基づくバンチング(集群)効果 : 電子走行効果によって、所望のテラヘルツ周波数帯で明瞭な負性導電率、従って自励発振が生じることを、初めて明らかにした。 2. プラズモン分散制御機構の考案と実験検証 : 2重回折格子ゲート自己補対アンテナの超密結合によってアンテナ間容量とアンテナインダクタンスによって左手系を構成する超指向性特異伝送回路として電磁バンドギャップメタマテリアルを考案し、試作評価によって、所望の特性を実証した。 3. 低次元プラズモン分散制御による新概念デバイスの研究 : 質量消失効果を有する新材料グラフェンでは、光励起キャリアの長い再結合寿命に対して、趙高速な光学フォノンとの結合の果てにフェルミ準位近傍に蓄積される。昨年度理論予測した反転分布条件に基づき、シリコン基板上にエピタキシャル成長したグラフェンサンプルを用い、フェムト秒レーザー励起によるテラヘルツ放射分光計測を実施した。その結果、世界で初めてグラフェンからのテラヘルツパルスの誘導放射に成功した。プラズモン共鳴を利得増強媒質とする全く新しい原理による室温コヒーレントテラヘルツレーザーの実現を示唆する礎を築いた。
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Research Products
(89 results)