2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18106007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 雅明 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (30192636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 忍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (20401143)
菅原 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40282842)
中根 了昌 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50422332)
|
Keywords | スピンデバイス / リコンフィギャラブル / スピンMOSFET / スピントランジスタ / 強磁性トンネル接合 / トンネル磁気抵抗効果 / 共鳴トンネル効果 / スピントランジスタを |
Research Abstract |
前年度につづき,リコンフィギャラブル,ナノスピンデバイス作製のための材料形成および物性機能の制御を目指した基礎研究を行った。特に,リコンフィギャラブル,ナノスピンデバイスの構成要素であるIV族およびIII-V族べースの磁性半導体,IV族およびIII-V族半導体と整合性の良い強磁性金属材料開発に加えて,デバイスプロセスの研究を中心に行った。 (1)MOS型スピントランジスタに向けた材料およびプロセス技術 MOS型スピントランジスタ(スピンMOSFET)の試作に向けて,シリコン系半導体(Si,Ge,SiGeなどのIV族半導体)と整合性の良い材料を探索した。強磁性金属MnAs/n-Siのショットキー障壁が低いことを見出し,MnAsをソース,ドレインにもつスピンMOSFET構造を作製した。このデバイスで良好なトランジスタ動作を示した。磁場印加のもとでソース,ドレイン間の抵抗(電流)を測定し,低温でスピン注入と思われるスピンバルブ効果を観測した。 (2)III-V族強磁性半導体ヘテロ構造の形成,強磁性転移温度の高温化とそのスピン制御 Mnを高濃度に添加(20%以上)したGaMnAsおよびInGaMnAsを低温MBE法により作製し,最高で173Kの強磁性転移温度を観測した。Mn-デルタドープGaAs/Be-dopedAIGaAsから成るp型選択ドープテロ構造の作製を行い,大きな磁気光学効果(MCD)を観測した。強磁性半導体GaMnAsを量子井戸とする2重障壁強磁性トンネル接合を形成し,トンネル磁気抵抗効果が共鳴トンネル効果により増大されることを半導体系で初めて示した。接合型3端子スピントランジスタを作製し,基本動作(磁気抵抗効果とトランジスタ動作)を観測した。 (3)III-V半導体:MnAsグラニュラー材料による単電子スピン伝導とその応用 III-V半導体中にMnAsナノクラスターを埋め込んだ単結晶グラニュラー材料およびそのヘテロ構造の形成とその物性機能の探索研究を行った。特に,閃亜鉛鉱型MnAs微粒子を含む強磁性トンネル接合を形成し,MR比100000%以上の巨大な磁気抵抗効果を観測した。
|