2009 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導複合材料の内部ひずみと臨界電流のその場測定法の開発および相関定量評価
Project/Area Number |
18106011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
落合 庄治郎 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30111925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 浩司 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50214060)
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Keywords | 超伝導複合材料 / 残留ひずみ / X線回折 / モデリング / 臨界電流 / 弾・塑性力学 / 損傷 / n値 |
Research Abstract |
(1)本研究では、SPring8の放射光実験で多芯Bi2223系複合材料のひずみ測定を行い、平行して行った微細構造観察、力学試験の結果と突き合わせて、臨界電流の引張・曲げひずみ依存性を記述できるモデルを構築してきた。本年度は実用上極めて重要な不可逆ひずみ近傍でのひずみ及び臨界電流測定、およびこれまで提案してきた損傷進展量と臨界電流を結びつけたdamage strain parameterアプローチを展開して、臨界電流の不可逆ひずみおよび平均不可逆ひずみ近傍での臨界電流分布の高精度評価法を構築した。 (2)同じ応力環境であっても、臨界電流は試料長さが長くなると低下する現象については、超伝導から常伝導に遷移する際に発生する電圧に着目し、モデル化を進めてきた。今年度は、このモデルに、Bi2223フィラメントが埋め込まれているコア部の形状、試料長さ方向の引張ひずみ分布、モンテカルロ法を組み合わせて、短尺試料の臨界電流および超伝導から常伝導への遷移の鋭さを示すn-値から長尺試料の臨界電流分布を予測する方法を構築した。 (3)曲げひずみで損傷を受けたBi2223超伝導テープの臨界電流は、3パラメータワイブル分布で表現できることは知られていたが、その理由は明らかではなかった。本研究では、残留ひずみとフィラメント単独での破壊ひずみを組み合わせて、損傷進展が試料ごとに異なる現象を定量評価できる方法を考案し、コア形態のモデル化を行って、臨界電流分布を記述できる手法を開発した。これにより、曲げ損傷を受けたテープの臨界電流分布が3パラメータワイブル分布で表現できることを初めて明らかにした。 (4)DyBCOコーテッドコンダクターのクラッキング現象と臨界電流との関係をクラックでの電流迂回モデルで定量的に記述できることを明らかにするとともに、臨界電流低下とn値低下の相関を高精度に再現できることを示した。
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Research Products
(22 results)