2010 Fiscal Year Annual Research Report
高効率選択酸化及び燃料電池酸化触媒の開発とリアルタイム構造情報に関する研究
Project/Area Number |
18106013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 岳 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90242099)
唯 美津木 電気通信大学, 分子科学研究所・物質分子科学研究領域, 准教授 (70396810)
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Keywords | 燃料電池 / 選択酸化反応 / 時間分解解析 / XAFS / 触媒表面 / 反応機構 / リフォーミング / 触媒活性表面 |
Research Abstract |
燃料電池触媒や有用選択酸化反応に資する新規触媒系を開発するために、in-situ構造解析を通じてこれらのリアル触媒系における諸問題を分子レベルで解明することを目的として研究を進め以下の研究成果を得た。 (1)複合酸化物系触媒のキャラクタリゼーション アセチレンやエチレンのダブルメトキシ化反応に活性な触媒を系統的に探索した。Fe,Cr,Cu,Ceなどの複合金属酸化物の活性はある程度得られるが、モノメトキシやジメトキシなど選択性制御には更なる研究が必要である。 (2)合金系ナノ粒子触媒のXAFSによるin-situ構造解析 燃料電池や選択酸化反応に用いられるナノ合金粒子(Pt_3Sn系、Pt_3Co系,PtAu系)について、酸化プロセス或いは燃料電池作動条件での触媒構造変化をin-situ時間分解XAFS法により明らかにした。Al_2O_3上のPt3Sn合金ナノ粒子は酸化過程において2つの中間体構造を通して3段階過程でコアシェル構造の酸化物ナノ粒子に相分離していくことを見出した。燃料電池発電下でカーボン上のPt_3Co合金ナノ粒子構造の電位依存を検討しPt及びCoの酸化状態とそれらの変化を時間分解測定に成功した。また、カーボン上のPtAuコアシェルナノ粒子では電解質膜がナフィオン膜と炭化水素膜とでPt酸化状態変化が違う新しい挙動を見出した。 (3)In-situ時間分解・空間分解XAFS法の開発と触媒構造速度論の展開 高輝度放射光X線マイクロビームを用いた空間分解走査型顕微XAFSによる触媒粒子一粒のXAFS計測に世界で初めて成功した。今後新たな研究領域が開けるものと期待される。また、高輝度放射光X線を用いた時間分解XAFS法により、ベンゼンから酸素によるフェノール合成過程をリアルタイム観察することに成功した。活性Reクラスター構造の酸化崩壊過程の構造速度論の詳細を初めて報告できた。
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Research Products
(31 results)