2006 Fiscal Year Annual Research Report
船体桁の複合荷重下における縦最終強度評価法の確立に関する研究
Project/Area Number |
18106015
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢尾 哲也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20029284)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 直樹 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90252585)
澤村 淳司 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (90359670)
河邉 寛 東海大学, 海洋学部, 教授 (00384876)
田中 義照 (独法)海上安全技術研究所, 構造解析研究グループ長 (40373419)
|
Keywords | 船体桁の縦曲げ / 捩り崩壊挙動 / 縮小模型崩壊試験体 / 信頼性解析 / Smithの方法による逐次崩壊解析 / 有限要素法解析 / 純捩り崩壊試験 / 理想化構造要素法 / 特異点分布法 |
Research Abstract |
1.効率的かつ高精度が期待できる縦最終強度解析法開発の一環として、パネルと防撓材の座屈に対する相互影響を再現できる理想化構造要素を開発し、その有用性を確認した。つぎに、縦曲げ逐次崩壊挙動の解析をSmithの方法のような簡易計算法で仮定する断面平面保持の妥当性を調べるため、単純な箱桁構造に対して有限要素法を適用した曲げ崩壊解析を実施し、座屈発生以降はこの過程が必ずしも成立しないことを確認した。また、Smithの方法に適用できる曲げ+圧縮荷重の下での崩壊挙動を追跡できる簡易力学モデルを構築した。さらに、コンテナ船を模した解析モデルを作成して有限要素法による崩壊解析を実施し、曲げ+振りの連成荷重の下での崩壊挙動を明らかにした。 2.ポスト・パナマックス型コンテナ船を模した実船の1/13の縮小モデル(長さ7.5m、幅3m、深さ1.825m)を製作し、純捩り荷重を負荷して崩壊試験を実施した。荷重の増加に伴って、船側外板には剪断座屈、選定外板の一部に圧縮座屈、クロスデッキに剪断座屈が発生したが、いずれも局部的であった。最終的には、ホールド中央部の剪断降伏により、試験体は崩壊した。MARC並びにLSDYNA3を適用した崩壊解析も実施し、崩壊モードを確認した。 3.大波高中を航行する船体の運動解析と船体に作用する波浪外力算定のための船体非線形運動解析の理論を特異点分布法に基づいて定式化し、解析コードを作成した。また、既存の非線形ストリップ法を用いた解析も実施し、解析コードの妥当性を検証した。 4.船体の縦強度評価を信頼性解析結果に基づいて合理的に実施する手法を確立する目的で、まず、適用する信頼性解析手法について検討した。具体的には、FOSM法、AFOSM法、曲面応答方、モンテカルロ法やこれらの組合せについて検討した。その結果、最終強度に関しては、曲面応答法を用いて2次関数でモデル化することが有効であることを確認した。また、船体の縦曲げに対する破損確率を求めるためには、各確率変数の正規分布からの乖離を考慮するべきであることを示した。さらに、曲面応答法を適用して限界状態関数を求め、これに対する新たな設計点回りで再び曲面応答法を適用する操作を繰り返して解が収束した後、重点サンプリングしてモンテカルロ方を適用する方法が、最も合理的な方法であることを示した。実際の適用例として、建造時期がことなる4隻のバルクキャリアを対象に選び、適用する設計基準が異なると、船体の安全性レベルがどのように変化するのかを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)