2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18107001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松岡 信 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (00270992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 正敏 東京大学, 農学生命科学研究科, 助手 (50237278)
服部 束穂 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (10164865)
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Keywords | 遺伝子 / シグナル伝達 / 発現制御 |
Research Abstract |
ジベレリンと結合したジベレリン受容体GID1は、ジベレリン信号伝達の抑制因子であるSLR1と結合し、SLR1を分解に導くと考えられている。GID1は、hormone sensitive lipase(HSL)に類似した一次構造を有しており、本プロジェクトでは、HSL様の構造のうち、どの領域においてジベレリンやSLR1と結合するのかは非常に重要な問題である。我々がこれまでに行ったGID1のデリーションコンストラクトを用いた実験結果から、GID1のN末15アミノ酸を除くほぼ全ての領域がジベレリン結合に必要であることが予想されていた。このことから、受容体全体の立体構造の維持がジベレリン結合に必須であると考えられたので、今年度は、3次構造の変化を最小にしつつアミノ酸変異の影響を見る目的でアラニンスキャニングを行った。イネGID1とアラビドプシスの3つのGID1ホモログの間で保存されているアミノ酸をそれぞれアラニンに置換した94個の変異型GID1タンパク質を作製した。さらに、そのジベレリン結合能とジベレリン依存的SLR1結合活性を、現在詳細に測定している。 我々のもう1つの興味は、植物内におけるジベレリン依存的なGID1とSLR1の結合である。そこで、GID1-GFPを過剰発現した形質転換カルスを作製し、±ジベレリン処理後にGFPに対する抗体で免疫沈降を行った。その結果、ジベレリン処理したカルスのみからSLR1タンパク質が共沈したことから、in vivoにおいても、両タンパク質はジベレリン依存的に結合することが明らかとなった。
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