2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18107002
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
筒井 和義 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (20163842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南方 宏之 (財)サントリー生物有機科学研究所, 部長研究員 (90150143)
浮穴 和義 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (10304370)
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Keywords | 視床下部ホルモン / 脳下垂体ホルモン / 発現制御 / シグナル伝達 / 生殖 |
Research Abstract |
2000年に我々は生殖腺刺激ホルモンの放出を抑制する新規の視床下部ホルモンを鳥類から発見して、生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(GnIH)と名付けた。GnIHと構造の類似する同族ペプチドが他の脊椎動物にも存在している可能性がある。本研究はヒトなどの霊長類から無脊椎動物にまで広く存在すると考えられるGnIH同族ペプチドを同定し、これらの新規脳分子による新しい生殖制御機構の解明を目的としている。本年度は、GnIH同族ペプチドを霊長類のヒトとサル、哺乳類のラット、ハムスターとヒツジなどの脳から同定して構造を明らかにした。GnIH同族ペプチドはGnIHと同様にC-末端側の配列がいずれも共通のLeu-Pro-Xaa-Arg-Phe-NH2(Xaa=Leu or GIn)(LPXRFa)構造を持つという特徴があった。同定した霊長類と哺乳類のGnIH同属ペプチドの生理作用を解析したところ、鳥類のGnIHと同様に生殖腺刺激ホルモンの放出を抑制する作用があることがわかった。鳥類のGnIHと霊長類と哺乳類のGnIH同族ペプチドの受容体を同定して作用機構を解析した結果、これらの新規脳分子は脳下垂体の生殖腺刺激ホルモン産生細胞と視床下部の生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンに存在する7つの膜貫通領域を持つ新規のGタンパク共役型受容体を介して生殖腺刺激ホルモンの放出を抑制することが明らかになった。GnIHとGnIH同族ペプチドの発現制御機構を解析したところ、メラトニンがこれらの新規脳分子の発現を制御していることが見いだされた。本年度はさらに、GnIHとGnIH同族ペプチドの起源と構造の分子進化を明らかにするために、爬虫類のミドリガメ、両生類のカエルとイモリ、魚類のキンギョ、無顎類のヌタウナギなどからGnIH同族ペプチドを同定して、構造の普遍性と多様性を明らかにした。
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Research Products
(37 results)