2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18107003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (70152014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉久 徹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (60212312)
西川 周一 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10252222)
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Keywords | ミトコンドリア / 酵母 / トランスロケータ / 膜透過 / NMR |
Research Abstract |
ミトコンドリア内膜トランスロケータTIM23複合体のモータ因子mtHsp70の補助因子であるTim15の機能を明らかにするために,Tim15のコアドメインを大腸菌に発現・調製し,そのNMR構造を決定した。決定されたNMR構造はL字型で,表面電荷の分布は不均等であった。そこで電荷分布をもとに様々な残基を置換し,変異Tim15のみを発現する酵母株の増殖を調べることにより,Tim15の機能に必須のアミノ酸残基を同定した。さらに,mtHsp70の溶解度(Tim15が発現しないとmtHsp70は凝集する),大腸菌細胞内で変異Tim15を発現した時のmtHsp70の溶解度を調べたところ,これらのアミノ酸残基が置換すると,mtHsp70の溶解度も低下することが分かった。したがって,Tim15の機能はmtHsp70との相互作用と関連し,その相互作用はmtHsp70を可溶性に保つ働きがあることが分かった。 ミトコンドリアのマトリクスや内膜へ移行するタンパク質は外膜トランスロケータTOM40複合体によって外膜を通過後,内膜のトランスロケータTIM23複合体により内膜を通過,または内膜に組み込まれる。TIM23複合体サブユニットTim23とTim50はともに膜間部にドメインを持ち,前駆体の受容体として働く機能が提案されている。Tim23およびTim50の膜間部ドメインはコイルドコイルを作って相互作用する可能性があるので,両者のコイルドコイル領域に変異をいれて両者の相互作用を壊すような変異体を多数作成し,膜間部におけるTim23-Tim50相互作用とインポート機能との関係を解析中である。
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Research Products
(8 results)