2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスにコードされるジーンサイレンシング抑制遺伝子による植物遺伝子発現修飾機構
Project/Area Number |
18108001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 一郎 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 教授 (10113523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 税 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60281854)
中原 健二 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (90315606)
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Keywords | サイレンシング / ウイルス / 植物 |
Research Abstract |
1.タルウマゴヤシのゲノムデータベースをもとに、リンケージグループIIIのRGA部分配列で保存されている領域を基に、エンドウから、RGA配列をクローニングして、えそ病徴をおこす系統とモザイクをおこす系統間の多型を検索したが、多型は認められなかった。プロテオーム解析で、えそ病徴をおこすエンドウで特異的に増加するタンパクとして、3種を同定した。ホワイトクローバモザイクウイルス発現ベクターを利用して、エンドウで発現させ、VIGSを誘導し、これにクローバ葉脈ウイルスを接種してエソ病徴の変化を観察したが、大きな変化は認められなかった。 2.rgs-CaMはPTGS抑制遺伝子のsiRNAもしくは2本鎖RNA結合部位に親和性を持つことにより普遍的にPTGS抑制遺伝子に結合していることが次の実験、1)CMVのPTGS抑制遺伝子2bに1アミノ酸変異によりsiRNA結合能およびPTGS抑制能が低下した変異2bに対するrgs-CaMの結合能も低下したこと、2)2b-rgs-CaM複合体のsiRNA結合能は2b単独と比べて弱かったこと、3)ヒト免疫不全ウイルスのTat遺伝子に由来するのsiRNA結合性のペプチドとrgs-CaMの間にも親和性が確認されたこと、により示唆された。 3.サテライトRNA(sat-RNA)は宿主サイレンシングを受けてsiRNAを大量に生成する。Y-satRNAがタバコを黄化させる現象については、「Y-satRNAのsiRNAの中に、偶然に宿主の光合成系遺伝子のmRNA分解を引き起こすものがある」という仮説を考え、ターゲットではないかと考えられる遺伝子のmRNAが切断されるか確かめるため、RACE法によって切断箇所の特定を試みた。その結果、一カ所で切断されることが判明し、Y-satRNAがサイレンジンクを利用してタバコでの黄化現象を引き起こしているものと結論した。
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Research Products
(23 results)