2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスの手法を用いた血液脳関門輸送機構の解明
Project/Area Number |
18109002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 東北大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (60323036)
上家 潤一 東北大学, 大学院薬学研究科, 助手 (10400269)
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Keywords | 血液脳関門 / 脳毛細血管 / プロテオミクス / トランスポーター / 質量分析 / 磁気分離 / MRP / 生理機能 |
Research Abstract |
定量検出の材料となる脳毛細血管内皮細胞の磁気細胞分離による高純度分離法の確立を行った。破砕条件、酵素条件、表面抗原等を検討し、分離の最適化を行った。その結果、ラット、マウスからの脳毛細血管内皮細胞高純度分離法を確立した。脳毛細血管内皮細胞に選択的に発現しているマーカー分子のmRNAの発現レベルは、脳と比較して分離画分に濃縮された。さらに、神経細胞やアストロ細胞などのマーカー分子のmRNA発現レベルは従来のグラスビーズ分離法と比較して本分離画分では低かった。従って、確立した磁気分離を用いることによって、従来法より高純度の脳毛細血管内皮細胞を回収できる。分離したラット脳毛細血管内視細胞を用い、MRP1からMRP6のサブタイプのmRNA発現を検討した結果、MRP1およびMRP4の高い発現が認められた。従って、これらサブタイプが血液脳関門で重要な機能をしていると考えられる。また、Multiple Reaction Monitoring(MRM)modeを用いた多検体同時の細胞膜タンパク質の絶対量法を開発した。細胞膜サンプルの可溶化条件、還元、アルキル化条件などの検討を行い、ABCトランスポーターの中でも、特に、重要なABCB, ABCC, ABCGサブファミリーの定量法を確立した。さらに、膜タンパク質マーカーとしてのNa+/K+ATPase、ガンマー・グルタミルトランスフェラーゼの定量法の確立に成功した。膜タンパク質のトリプシン消化に関しても、最適条件の検討を行い、SDS-PAGEおよびCBB染色によって、消化後のサンプルではバンドが検出されなく、さらに、western blotによるP-糖タンパクの免疫反応性が消失することを確認した。
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Research Products
(2 results)