2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスの手法を用いた血液脳関門輸送機構の解明
Project/Area Number |
18109002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60323036)
内田 康雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70583590)
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Keywords | 血液脳関門 / 脳毛細血管 / プロテオミクス / トランスポーター / 質量分析 / ファーマコプロテオミクス / MRP / 生理機能 |
Research Abstract |
ABCA8について、新たなサブタイプについて検討したところ細胞膜へソーティングされ、発現系が構築できた。引き続き質量分析装置を用いて基質候補分子探索を行う。FATP1について、発現系を用いた輸送機能解析を行ったところDocosahexaenoic acid(DHA)を輸送することが示唆された。さらに、DHAはヒト血液脳関門培養細胞D3細胞に取り込まれoleic acidで阻害されたことから、DHAのヒト大脳への移行性にFATP1が寄与していることが示唆された。一方、ヒト血液脳関門においてOAT3の発現量が検出限界以下であったことから、有機アニオン輸送に関してSLC familyの質量分析装置を用いて発現探索を行ったところある種のサブタイプの輸送担体候補がタンパク質レベルで発現していることが示された。さらに、発現系を構築して、基質探索を網羅的に行ったところ脳内で合成されない内因性の有機アニオン性物質を輸送することが見出された。今後は、血液脳関門におけるこの輸送能の低下と中枢疾患や脳の発達障害との関連を解明することが重要であると考えられる。脳毛細血管内皮細胞の脳側膜と血液側膜における輸送担体タンパク質の発現量の解析を詳細に行い、マーカータンパク質の存在量を用いた補正式に基づいて各細胞膜に発現する輸送担体の分別定量法を確立することができた。 今後、この分別定量法を用いて膜局在性情報を含んだヒト血液脳関門の実体を解明する予定である。以上、当初の研究目標「マウス脳毛細血管内皮細胞膜に発現する輸送担体タンパク質の絶対発現量解明」だけでなく、サル、及びヒトについても解明することができ、2種類の新規輸送系を見出すことができた。これらの成果は、創薬科学へ大きな波及効果が期待される。 なお、今年度は、輸送研究において実績と経験が豊富な久保義行博士を連携研究者に加えて、プロジェクトを推進した。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Quantitative protein analysis of human glioblastoma2010
Author(s)
T.Terasaki, M.Nakada, C.Ikeda, Y.Hayashi, J.Hamada, Y.Sonoda, T.Kumabe, T.Tominaga, S.Ohtsuki
Organizer
Neoangiogenesis in Brain Tumours, International meeting of Signal Transduction of the Blood-Brain Barrier, Zurich 2010
Place of Presentation
Zurich, Switzerland
Year and Date
2010-09-04
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