2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18109004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 明男 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (70112670)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 生体分子 / 脳神経疾患 / 病理学 |
Research Abstract |
ポリオウイルスのキャプシド蛋白質の前駆体であるP1蛋白質領域をワクシニアウイルスバクターを使用し,発現させたところ,神経細胞は細胞変性効果(CPE)を示した。神経細胞はP1蛋白質の連続発現によりCPEを呈することが示唆された。 プロテオミクス解析に使用する二次元ゲル電気泳動装置の欠点を直すとの名目でメーカーによる改造が行われ,重要な実験が阻害されたため,サンプル調製等の条件検討を行うと同時に,神経細胞内に産生されると考えられるポリオウイルスIRESの阻害物質がトランスに働くかを検討した。すなわち,アデノウイルスベクターで発現させたジシストロニックmRNA(第2シストロンがポリオウイルスIRESで発現)からの蛋白質の翻訳効率の変化をポリオウイルス感染の有無で検討した。その結果,この物質はトランスに働くことが明らかとなった。 2Aプロテアーゼコーディング領域を欠損させたRNAをゲノムとして持っポリオウイルスも複製活性を有していた。すなわち,P1蛋白質コーディング領域とP2蛋白質コーディング領域の間にEMCVのIRESを挿入し,ゲノムをジシストロニックとした上で,ゲノムの2Aプロテアーゼ領域を欠損させたRNAゲノムを細胞にトランスフェクションし,ウイルス粒子を得た。そのウイルス粒子を神経細胞に感染させたが,その複製効率は低く,P1領域の細胞毒性観察は困難であった。 カニクイザルへのポリオウイルスの経口投与実験を行い,ポリオウイルス感受性を示す条件を見付けた。経口感染モデルとなる可能性がある。
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Research Products
(14 results)