2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18109004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 明男 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (70112670)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 生体分子 / 脳神経疾患 / 病理学 |
Research Abstract |
神経細胞はポリオウイルス(PV)の2Aプロテアーゼではなく、キャブシド蛋白質により細胞変性効果を現すということを、ワクシニアウイルス発現ベクターを用いて示したが、プラスミドによるキャブシド蛋白質発現でも証明する方針であった。しかし、プラスミドによる発現では、同じ結果が得られなかった。発現量の不足のためと考えている。 BBB透過に関する研究では、トランスフェリンとPVが競合すること、また両者がマウス脳血管内皮細胞内の同一のエンドソームに取り込まれ得ることが判明し、再びPVとトランスフェリン受容体との結合実験を条件検討しながら行った。その結果、両者は直接に結合することが明らかとなった。さらにトランスフェリン受容体上のPV結合に関するペプチド領域を同定した。現在、PVの粒子表面のトランスフェリン受容体結合に関与するペプチド領域を探索中である。 PVの逆行性軸索輸送に関してはこ これまでに、ダイニン複合体による速い輸送系が使われていることを示していたが、本年度の研究により、遅い輸送系も存在すること、さらにヒトPV受容体を必要としない逆行性輸送系が存在することも証明した。 また、逆行性輸送が終了した後、神経細胞体においてPVの複製が開始される機構を研究するために開発していた神経細胞の分離培養のシステムの構築に成功した。
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Research Products
(13 results)