2006 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者のこころの健康についての学際的大規模縦断研究-予防へのストラテジーの展開
Project/Area Number |
18109007
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
下方 浩史 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 部長 (10226269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富士子 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 室長 (90333393)
中村 美詠子 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 室長 (30236012)
福川 康之 聖徳大学, 人文学部・社会福祉学科, 講師 (90393165)
西田 裕紀子 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, リサーチレジデント (60393170)
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Keywords | 認知機能障害 / 知能検査 / 短期記憶 / 老化 / 言語性知能 / 動作性知能 / 縦断研究 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
平成9年から2年ごとに継続して実施している無作為抽出された約2,300名の中高年地域住民を対象にしたコホート調査の結果を用いて、中高年者のこころの健康についての学際的研究を行っている。平成18年度には、平成16年度に開始した第4次調査を終了し、引き続いて第5次調査を開始した。平成19年3月末現在852名の調査が終了している。終了した第4次調査の2,384名についての全データの照合、確認が終了しており、一般成人知能検査(WAIS-R)、簡易認知機能検査(MMSE)、記銘力検査、頭部MRI検査、各種背景要因などについて第4次調査の最終データとしてまとめた。 平成18年度の研究成果として、中高年者の抑うつの要因やエピソード記憶、また加齢による認知機能障害の関連遺伝子についての検討を行った。日常活動能力の中で、知的能動性や社会的役割の低下が抑うつを高めること、性・教育歴・居住形態・主観的健康感といった属性は活動能力を介して抑うつに影響することが示唆された。一方、低所得、独居や主観的な健康不良は直接的にも抑うつ増大に影響することが示された。エピソード記憶、特に遅延再生の障害は認知症の最も早期に出現することが知られているが、地域住民で年代が高くなるにつれて得点が低下していた。しかし性差は有意ではなかった。 老化に関連する遺伝子として知られるKlotho遺伝子のG-395A多型により60歳以上群で認知機能の低下が認められ、この多型は加齢による認知機能低下に関連するとの成果を国際学術誌に発表した。老化に対する遺伝的要因と生活習慣の関わりについての総説をまとめ、認知機能について現在までの我々の知見について紹介した。 これらの成果に加え、栄養疫学的側面からみた中高年者の心理的健康、認知症による社会的負担を総説としてまとめた。
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Research Products
(7 results)