2008 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者のこころの健康についての学際的大規模縦断研究-予防へのストラテジーの展開
Project/Area Number |
18109007
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
下方 浩史 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 疫学研究部, 部長 (10226269)
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Keywords | 認知機能障害 / 知能検査 / 短期記憶 / 老化 / 言語性知能 |
Research Abstract |
平成9年から2年ごとに継続して実施している無作為抽出された約2,300名の中高年地域住民を対象にしたコホート調査の結果を用いて、中高年者のこころの健康についての学際的研究を行っている。平成18年度に開始した第5次調査を平成20年7月に終了し、引き続いて第6次調査を開始した。平成21年3月末現在803名の調査が終了している。終了した第5次調査の参加者2,419名のデータ照合、確認を終了し、一般成人知能検査(WAIS-R)、簡易認知機能検査(MMSE)、記銘力検査、頭部MRI検査、各種背景要因などについてまとめ、モノグラフとして和文と英文の両方でインターネット上に公開した。 10年以上にわたって蓄積されたこれらのデータを用いて、地域在住の中高年者におけるこころの健康についての解析を継続して実施した。平成20年度の研究成果として、主観的幸福感の加齢変化を縦断的に解析し、60歳代以降において加齢に伴い主観的幸福感が低下することを示し、主観的幸福感の低下は成人後期におこることや、横断的な比較のみならず縦断的に経年変化をとらえた場合でも主観的幸福感が次第に低下することを実証した。また高齢者の主観的幸福感にとって家族・親族内で何かの役割を持つことが概ね肯定的な方向に作用することがわかった。中でも家族・親族内での相談相手やまとめ役といった役割を持つことが、肯定・否定の両側面の指標において高い主観的幸福感を示すことがわかった。栄養との関連では果物・カロテノイド摂取と抑うつに関する縦断的検討を行い、果実やカロテノイドの摂取が、抑うつを予防する可能性が示した。さらに認知機能障害の疫学的考察や、リスク集積の要因などについてまとめるなど、中高年者におけるこころの健康について数多くの成果をあげた。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Having More Healthy Practice was Associated with Low White Blood Cell Counts in Middle-aged Japanese Male and Female Workers2008
Author(s)
Otsuka R, Tamakoshi K, Wada K, Matsushita K, Ouyang P, Hotta Y, Takefuji S, Mitsuhashi H, Toyoshima H, Shimokata H, Yatsuva H
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Journal Title
Ind Health 46
Pages: 341-347
Peer Reviewed
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