2009 Fiscal Year Annual Research Report
過栄養状態における肝臓機能の破綻と生活習慣病の研究
Project/Area Number |
18109008
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金子 周一 Kanazawa University, 医学系, 教授 (60185923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沼 安二 金沢大学, 医学系, 教授 (10115256)
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Keywords | ゲノム / 発現制御 / 肝臓 / 栄養 / 生活習慣病 / 糖尿病 |
Research Abstract |
過栄養状態における肝臓の変化を明らかにすることによって新たな肝臓病の疾病概念を確立するとともに、肝臓機能の破綻によって生じる栄養性肝代謝異常症の診断および治療法開発の基盤となるべき研研究を行っている。本年度は5年計画の4年目にあたる。本年度の成果を列挙した。 1)肝臓における包括的発現遺伝子解析:2型糖尿病患者の肝組織を用いて包括的な発現遺伝子解析を行い、臨床情報と共に遺伝子発現情報をデータベース化した。 2)肝臓における包括的タンパク解析 共同研究により、糖尿病および心筋梗塞患者の肝臓および血液のタンパクを系統的に収集した。 3)肝臓における脂質の解析:糖尿病および脂肪肝における肝臓の脂質含量、脂質組成等測定を開始した。 4)肝病理および臨床像の解析 発現遺伝子情報を有する肝組織を解析し、脂肪化、線維化、炎症の有無をスコアー化した。非アルコール性脂肪肝患者においては、血糖を厳格にコントロールすることが体重を低下させるよりも肝臓の組織を改善することを示した(Diabetic care 2010)中年女性は肥満が関連する代謝異常に抵抗性があることを明らかにした(Metabolism 2009)。 5)肝臓における基本的な遺伝子情報の解析 糖尿病患者において、血液に加え、肝臓、脂肪肝における時計遺伝子を解析した(BBRC 2009、他) 6)食事の脂質が及ぼす肝臓への影響 脂肪酸のPalmitateがROSの経路を介して肝細胞におけるインスリン抵抗性を高めていることを示した(J Biol Chem 2009) 7)血液を用いた診断法の開発 心筋梗塞においては肝臓から心臓を補助する蛋白が産生されることを明らかにした(Circulation 2010)。 8)肝臓における幹細胞、肝がんにおける幹細胞、発癌と脂質代謝との関連を解析した(Gastroenterology 2009, J Hepatology 2009、他) 9)血液を用いた癌の診断法を開発した。
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Research Products
(18 results)