2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18200006
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河合 隆史 早稲田大学, 大学院国際情報通信研究科, 助教授 (90308221)
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Keywords | コンテンツ / マルチメディア情報処理 / 芸術情報 / ヒューマンインターフェイス / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
複数の感覚刺激により特徴的な認知体験を呈示する、クロスモーダルコンテンツの実現を目指し、近赤外分光法(MRS)による脳機能計測を用いた評価系を実装したテストワークベンチを構築し、基礎的な検討を行った。同時に、クロスモーダルコンテンツの応用システムについて、併せて試作・評価を行った。 テストワークベンチとして、3Dプロジェクタを用いたシアター型、および3Dディスプレイを用いたパーソナル型の環境をそれぞれ構築し、位置センサやデータグローブ等によりインタラクティブな視・触覚刺激の呈示を可能とした。評価系は、コンテンツ呈示時のNIRSによる脳機能計測を中心に、皮膚電位などの客観評価と、内省報告などの主観評価を同時に行えるよう設計した。特に、脳機能計測については、コンテンツ評価への事例が希少であることから、文献調査と基礎的な評価データの取得に重点を置いた。 脳機能計測による基礎的な検討では、視覚と体性感覚の呈示による視覚刺激への身体感覚の誘発において、多様な呈示条件下での印象変化を客観的に観察することを目的とした。 クロスモーダルコンテンツの応用システムでは、身体感覚を伴う視覚刺激へのニーズという観点から安全教育分野を対象とし、認知状態の操作を意図したコンテンツを試作した。視覚と体性感覚に対する情報を操作することで、身体感覚に矛盾を生じさせ、労働災害の置きやすい認知状態の再現を試みた。評価実験の結果から、視覚情報の操作に対する許容量が示され、また脅威刺激としての有効性が示唆された。試作したコンテンツの表現や妥当性について、工場作業の安全管理業務の担当者を対象としたヒアリングを行った結果、概ね肯定的な意見が聞かれた。
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