2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18200006
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河合 隆史 Waseda University, 大学院・国際情報通信研究科, 准教授 (90308221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛川 浩志 早稲田大学, 基幹理工学部表現工学科, 助教 (90386673)
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Keywords | コンテンツ / マルチメディア情報処理 / 芸術情報 / ヒューマンインターフェイス / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
本研究課題では、複数の感覚刺激呈示による特徴的な認知活動の体験を意図した、クロスモーダルコンテンツの開発を目指し、インタラクティブなバーチャルリアリティ(VR)コンテンツの呈示環境と近赤外分光法(NIRS)による脳機能計測を用いた評価システム、およびコンテンツ開発用テストワークベンチ環境の構築を行った。 NIRSを用いたクロスモーダル刺激の評価においては、視覚と体性感覚の刺激呈示による身体イメージの誘発を対象とし、刺激呈示条件の変化による身体に対する主観的な印象や体験の変化を客観的に観察することが可能であるか、実験的に検討を行った。その結果、側頭葉前部に反応が見られ、VR空間で生じた身体イメージの変化を、脳機能計測により評価する可能性が示唆された。NIRSのデータについては、生体信号の影響を抽出する処理の検討として、トレンド解析を用いる手法も提案した。具体的に、トレンド解析をNIRSの時系列データに対して適用することで、心拍信号の抽出が可能となった。 一方、クロスモーダルコンテンツの表現手法の検討においては、前年度に開発した安全教育分野向けのVRで試みた、視覚と体性感覚情報の操作を発展させ、視覚刺激の呈示に伴って仮想の触運動感覚を体験するという錯覚を考案した。この錯覚は、VR空間での多様なインタラクションへの応用が期待されることから、錯覚の発生にかかる刺激要件および錯覚体験の強度について実験的に検討を行った。脳機能計測による評価によって、体験される主観的な感覚と客観的な計測結果の対応にかかる一定の傾向が確認された。
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