2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模マルチエージェントシステムを用いた参加型デザインの研究
Project/Area Number |
18200009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20252489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八槇 博史 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10322166)
吉野 孝 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (90274860)
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Keywords | エージェント / マルチエージェントシステム / シミュレーション / 参加型デザイン |
Research Abstract |
携帯電話に搭載されたGPSを使うことで,人々が街中のありとあらゆる場所で情報サービスを利用できるようになってきている.ユーザの位置に依存した情報サービスの例として,都市空間における災害時の避難誘導や交通制御などが考えられる.本研究ではまず,多数のユーザの位置を同定するためにGPS付携帯電話を用い,大規模エージェントシステムに基づく大規模な屋外避難誘導実験を行って,そのための技術基盤を整備した.大規模エージェントシステムの運用には,数十万のエージェントを同時に実行させることができる,日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所により開発された大規模エージェントサーバCaribbeanを用いた.一方,京都大学情報学研究科社会情報学専攻では,シナリオ記述言語Qにより,Caribbean上の多数のエージェントを制御する技術を開発している.これらの技術を組み合わせ,実空間の多数のユーザと,仮想空間の更に多数のエージェント群を用いた,ユーザ参加型の,大規模避難誘導シミュレーションを可能とした. また,シナリオ記述言語Qに基づいて生成されるシナリオの精密化の支援として,実験ログから人間の行動モデルを抽出するアプローチを取った.ここでは,一般性の高い技術の提供のため,問題に依存したツールを構築するのではなく,参加型シミュレーションのログから人間のモデルを抽出する汎用的なアルゴリズムを設計した.具体的には,仮説推論に基づいたモデリングプロセスを確立し,モデルの一貫性を保証できるユーザモデリングが可能となった.
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