2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体神経ダイナミクス制御用複合マイクロプローブの試作と制御方式
Project/Area Number |
18200015
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山川 烈 Kyushu Institute of Technology, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (00005547)
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Keywords | 冷凍プローブ / てんかん原性域 / レーザー焼灼 / ハイパワーレーザーダイオード / 坐骨神経 / 神経束 / 有髄神経 / 無髄神経 |
Research Abstract |
本基盤研究(A)の発展的研究として平成20年度特別推進研究を申請していた.6月になってそのテーマが採択されたので,本基盤研究(A)は中止するに至った.従って平成20年度基盤研究(A)の実施期間は4月1日〜6月5日までの約2ヵ月間である.この間に実施した研究は,冷凍プローブの代わりに,レーザー光を用いて神経の機能を破壊する実験である.すなわち,「てんかん原性域」が見つかった場合に,それを狙い撃ちして破壊するためのレーザー焼灼の見通しを立てることである.具体的には,ウシガエルの坐骨神経(神経束)を10cmほど取出し,一方の端に電流刺激を与え,活性部位が他端へ移動することを確認した.この神経束は,太くて伝達速度の速い低閾値神経(有髄神経)と,細くて伝達速度の遅い高閾値の神経(無髄神経)とが混在しており,したがって,1回のパルス電流刺激を与えると,それによる活性部位が他端に伝達される間に2峰性の電流が観測された.このような神経束の途中に,ハイパワーレーザーダイオードから送られたレーザー光を直径1mmのグラスファイバーを通して照射する実験を行った.焼灼用のレーザー光は,パルス幅990μsec.周期20msecのものを用いた.刺激用電流としては,0.8mA,10msecの電流を10sec間隔で与えた.レーザー光のパルス電流値を10A以上にすると,神経束の伝達機能が徐々に阻害され,25Aでは有髄神経は2分間照射で,また無髄神経は1分間照射で,伝達機能を消失してしまい,回復することはなかった.
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Research Products
(2 results)